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アドテク、企業、ベンチャーキャピタルやニューヨークのベンチャー企業について執筆するスタッフライター

SFIO CRACHO / Shutterstock.com

企業向けにクラウドサービスを一元管理するツールを提供するスタートアップ「BetterCloud」は、2017年の初めに苦境に陥っていた。同社はほぼ2年間を費やして、サービスの刷新を行ったが、新サービスが全く売れず、創業者でCEOのDavid Politisは途方に暮れていた。

投資家から新たな出資を得ることもできず、稼げないまま運転資金が流れ出ていった。「新たなプラットフォームを完成させられたと思っていたが、製品は最高のパフォーマンスとはいえなかった。私のキャリアで最悪の時代となった」とPolitisは言う。

そこでPolitisは可能な限り顧客の意見を聞くことにした。顧客が購入に至らない理由など、些細なことまで聴きだし、セールスチームにフィードバックした。複雑な料金体系や管理のしにくさなど、1つ1つの問題を丁寧に解決していった。その甲斐があって2017年の秋には売上が軌道に乗り、数百万ドル規模の契約を複数結んで業績は過去最高となった。

Politisが再びベンチャーキャピタルを訪れると、誰もが出資したいと態度を一変させたという。死にかけていたBetterCloudはよみがえり、今では堅実な業績を上げている。「ベインキャピタル」が主導した投資ラウンドでは新たに6000万ドル(約64億円)の調達に成功。これまで出資していた「Accel」や「グレイクロフト・パートナーズ(Greycroft Partners)」、「Flybridge Capital Partners」なども引き続き出資してくれた。

シリーズE調達ラウンドで同社の価値は2倍になったとPolitisは言う。企業データベース「PitchBook」のデータによればBetterCloudの企業価値は2015年に1億3500万ドル(約144億円)とされており、現在の企業価値は2億7000万ドルと推定される。

BetterCloudの理事に就任したベインキャピタルのEnrique Salemはこう述べる。「Davidの話には一貫性がある。彼を信じていたが、データが欲しかった」

フォーブスの2017年の「次世代のスタートアップ企業(Next Billion-Dollar Startups list)」にも選ばれたBetterCloudの復活劇からは、新興企業が次のステップに進むための道筋を学ぶことができる。Politisにとって同社のソフトウェアを刷新することは必要なことだった。

グーグルのビジネス関連アプリは、彼や同社の出資者が2015年に期待したほど顧客を得られていなかった。サティア・ナデラ率いるマイクロソフトの競争力が高く、人々は「Office 365」に満足していたのだ。

サブスクリプション・ソフトウェアが広く受け入れられるようになったことは、大きな変化だった。しかし、単に様々なグーグルのライセンスを管理できるだけでは、長期的に見てビジネスを大規模にスケールさせるためには不十分だったのだ。

編集=上田裕資

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