AIとドローンで森林破壊を止める 博士卒の女性起業家

城口洋平 エネチェンジ代表取締役会長・SMAP ENERGY CEOとスーザン・グラハム バイオカーボン・エンジニアリング共同創業者兼CTO


城口:最後に、フォーブスの30 Under 30に選ばれたことについて、その価値についてどう考えていますか? 30 Under 30に選ばれて良かったことは何でしょうか?

グラハム:起業家たちが直面する課題の一つに、起業へのパーソナルな熱意をどうマネージするか、という問題があります。高い山の頂上を目指しながら、低い難所を通り抜けなければなりません。30 Under 30のように異なる領域から、情熱を持った人たちが集まり、話す機会を得ることは、そのために必要な熱意を保ち続けるのにとても役立ちます。世界に発信されているので、同じ思いを持った人たちが共通の糸で紡がれているように感じます。

また、フォーブスは世界的によく知られたブランドです。話を聞いてくれる機会も多くなりますし、パートナーシップを構築するのにも便利です。しかし私が思うに、ブランドで人を評価するのは容易ですが、評価されたのは私自身だけではなく、我々チームがこれまでやってきたことだと思っています。チームのメンバーそれぞれが異なるバックグランドと経験を持ち寄ることによって達成できた価値です。それは、計画されて設定されたものではなく、旅のようなものだと思います。異なる背景の人たちがそれぞれのストーリーを持ち、彼らが集まることによって時には思いもよらない価値が加わります。それが、私たちのチームであり、これから共通の大きな目標を達成するために重要なことだと考えています。

城口:ありがとうございました。

インタビュー後記

現在、日本でも、ドローンが話題に上ることが多く、ドローンベンチャーも多い。確かに、トレンドに乗るのは重要だ。しかしながら、彼女が率いるバイオカーボン社には、ただ流行に乗るのとは違う、経営陣の深い技術的な知見、ドローンを通じて実現したい世界観があった。

グラハムは、生粋の「起業家」だ。そのような起業家精神溢れる人が、オックスフォード大学の博士課程までしっかりやり遂げた上で起業家になったのも、意外で面白い。「起業をするなら若ければ若いほどいい」「10代でも20代前半でも起業をしよう」という声もあるが、グラハムの話を聞くと、必ずしもそうではないとは思う。やはり、起業家というのは、どれだけ大きい問題を定義し、技術や世の中のトレンドを捉えられるか、が勝負を決める。グラハムのように、オックスフォード大学博士課程まで進み、世界を俯瞰的な視野で見て、様々なトレンドを自分の頭で学んだからこそ取り組める事業であることが重要だ。それはつまり「起業する一歩目」が一番重要だとも言えるだろう。

Yohei Kiguchi wears: Jacket by CHESTER BARRIE, Shirt by JOHN SMEDLEY, Trousers by CHESTER BARRIE.
Susan Graham wears: Jacket by HELENE BERMAN from TRILOGY STORES, Shirt by VELVET by GRAHAM SPENCER from TRILOGY STORES, Jeans by J BRAND from TRILOGY STORES.

構成=岩坪文子 写真=Jennifer Endom スタイリング=Marika Page

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