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城口洋平 エネチェンジ代表取締役会長・SMAP ENERGY CEOとスーザン・グラハム バイオカーボン・エンジニアリング共同創業者兼CTO

「Forbes 30 Under 30 in Europe(注目の30歳未満 欧州版)」に唯一日本人として選ばれたエネチェンジ、SMAP ENERGYの城口洋平が、同企画に選ばれた同世代の起業家やイノベーターと対談する連載企画。第1回は、世界の森林破壊を解決するためにドローンで植林をするベンチャー、バイオカーボン・エンジニアリング社(以下、バイオカーボン社)の共同創業者兼CTOのスーザン・グラハムだ。

グラハムは、オーストラリアで機械工学を専攻した後、オックスフォード大学でバイオメディカル・エンジニアリング(生物・医学・工学にまたがる領域の研究)で博士号を取得し、その傍ら、在学中に多くのスタートアップに参画する。2014年にNASAで20年のキャリアを持つ現CEOのローレン・フレッチャー他のメンバーと共に同社を設立。ドローンやAIを駆使した効率的な植林技術を開発し、世界で5000億本の植林を目指している。


城口洋平(以下、城口):私自身もエンジニア出身で、イギリスのケンブリッジでエネルギー工学の博士号を取得し、エネルギーベンチャーを経営しています。グラハムさんはテルアビブで行われた30 Under 30のパネルイベントにも登壇されていました。同じようなバックグランドを持つ身として、とても興味があり、フォーブスからこの連載のお話が来た時「最初にインタビューしたい」と思った方です。グラハムさんは自身を研究者やエンジニアだと考えていますか?それとも起業家だと考えていますか?

スーザン・グラハム(以下、グラハム):「起業家」だと思っています。技術や研究の正確さも目的を達するためには重要だと考えていますが、私自身が何に突き動かされているかというと、ある目的を達成するために持続可能なビジネスモデルをいかに構築するか、です。

城口:大学在籍中にもいくつかのスタートアップに参画していますね?

グラハム:私が最初にビジネスに興味を抱いたのは14歳の時です。牛のミルクを売る課外授業がありました。それは「起業」と言えるものではなく、製品を知ること、市場を知ること、市場へのルートを知ることでした。しかし、その頃からビジネスに興味を覚えたことは確かで、大学在籍時にもいくつかのスタートアップに参画しました。失敗も何度もしましたし、その失敗から多くのことを学びました。

城口:失敗というのは、焦点が的確ではなかった、またはチームマネジメントが適切ではなかった、というようなことでしょうか。

グラハム:そうですね。本当の失敗は何も挑戦しないことだと考えていますので、どれも「本当の」失敗ではないと定義しておきます。その上で、事業を継続できなかった原因は、マーケットが小さすぎた、チームが必ずしも適切ではなかった、単に資金調達ができなかった、などの理由があります。ここで学んだことは全て今に生かされています。

城口:現在のバイオカーボン社について教えていただけますか?

グラハム:私もエンジニア、そして起業家として、大きなスケールの問題を「技術を使って解決したい」という強い思いがありました。世界規模の森林破壊はそうした問題の1つです。バイオカーボンは、2014年に創業しましたが、現CEOのローレン・フレッチャーが何年も前から構想を温めてきたアイデアです。

起業する際には、手法、トレンド、世界の動向を観察することは非常に重要ですが、彼は長らく森林破壊、環境破壊の現在地点、ドローンやAI、ビッグデータ、センサーといったテクノロジー(同社は画像認識技術を活用した地形の把握、ドローンが植林する最適な経路産出などをしている)の進化状況を見てきました。14年にそれが一つになり「ドローンを使って植林をする」というアイデアに結節しました。

最初にチームが集った際の主な目標は技術的なリスクを取り除き、開発を進めることでしたが、現在は既にその段階を終え、オペレーションに注力するフェーズに来ています。経営チームも技術開発からオペレーションのチームへと移行段階にあります。

バイオカーボン社には、「地球の気候変動の軌道を変える」という明確な大目標があります。5000億本の植林を実現できれば世界をカーボンニュートラル(排出される二酸化炭素を自然が吸収できる段階)にすることができるのです。この共通の目標のために、異なる方法や動機を持った仲間が一つになれるのです。ある人は気候変動で影響を受けるコミュニティや森林資源を守るために、ある人はAI、ビッグデータ、ドローンといった新しいテクノロジーを課題解決に使うためといったようにです。

構成=岩坪文子 写真=Jennifer Endom スタイリング=Marika Page

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