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(Photo by Tim Boyle/Getty Images)

企業が良いリーダーシップを発揮すれば、人命を救うことができる──。大げさに聞こえるかもしれないが、これを示す事件が先月起きた。

ニューヨーク州イサカのウォルマート店舗で、来店した男がギフトカードを使って銃とサイレンサー、キャンプ用品、ドリルビット、弓のこ刃、ナイフを購入したことを不審に思った従業員が、警察に通報した。男のアパートを捜索した連邦捜査局(FBI)は、防弾ベストや戦闘服、ナイフ、軍用ガスマスク、MSR15型ライフル、銃弾、手製のサイレンサー、りゅう散弾を取り付けた花火を含む爆弾の材料を発見した。

男が銃乱射やテロを計画していた可能性は大いにある。ウォルマートはそれを阻止し、命を救ったのかもしれない。男は以前、米国の精神衛生法に基づき身柄を拘束されたことがあり、未登録の銃器所有と、銃器入手方法について虚偽の供述をしたとして訴追された。

通報した従業員の名前は公表されていないが、ウォルマートはこうした誠実な従業員を持つこと、そして一人の従業員に対しより大きなコミュニティーを守る行動を促した方針を持つことに、誇りを持つべきだ。

私はこの話を読んで、ウォルマートで進む企業文化変革の話を思い出した。ニューヨーク経済クラブで今年、同社のダグ・マクミロン最高経営責任者(CEO)が行ったスピーチで耳にしたことだ。ここでの話から私は、ウォルマートの企業文化は良い方向へと転換したと確信している。

マクミロンは、創業者のサム・ウォルトンが倫理的価値観と顧客尊重を基盤としたことに言及。だが同社は、21世紀の顧客中心主義経済に合わせてさらに進化する必要があった。この大きな変化を引き起こしたのは、甚大な被害をもたらしたハリケーン「カトリーナ」だった。

カトリーナにより家を失った人の数が明らかになると、ウォルマートはニューオーリンズなどの被災地に、食料や物資を送ることを決定。この思いやりある行動が、同社全体の雰囲気を変えた。従業員はこの決定に触発され、自分もぜひ救援活動に参加したいと志願した。この災害が生み出したエネルギーの大きさは、まるで魔法のようだった。

この時、同社の経営陣は、従業員の待遇を全く異なる視点で見る必要があることに気づき、従業員の仕事を意義のあるものにするための取り組みを始めた。この時期の生産性は、カトリーナ被災者救援以外の分野でも、さまざまな店舗で向上した。

編集=遠藤宗生

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