ゲノム解析の女性起業家が考える、私たちの未来


社会的積み木と覚悟とてこの原理

さて次の問いとして、覚悟がより必要な場合はどんなケースか? と考えてみます。

たとえば起業するのに、時間がかからない人もいれば、起業したいと思ってから10年かかる人もいます。私が起業したのは思い立ってからすぐでしたが、それは私が何の実績も経験も資産もないただの学生で、社会的積み木がとても少なく身軽だったからだと思います。

自分では気づきにくいですが、大人になるにつれて、社会的説明のための人生選択が増えていきます。家族や周りの友人に説明できる転職なのか、親や配偶者を安心させられるか、一度成功したから、また成功しなければ周りに説明できないのではないか……転職するにも起業するにも何かに挑戦するにも、大人になるにつれて社会的積み木が増えていきます。

何もしなくても生きているだけで積み木はどんどん増えていきます。しかも成功すればするほど重たくなっていきます。まるで、てこのようだ、と思います。



社会的積み木が大きいほど、覚悟も大きさが必要となります。社会的積み木にレバレッジをかけて動ける人もいます。たとえばソフトバンクの孫正義さんのように、大きな積み木をますます背負っても次々と挑戦できる人は、自分の背負う社会的積み木を理解した上でうまく思考の整理をし、自分の未来に覚悟を持てているのだなと思います。

逆に社会的積み木を積まないことで次々動ける人もいます。たとえば西野亮廣さんや家入一真さんは社会的積み木を積まないのが上手い人だなと思います。いつも軽やかに、次々と未知の分野に挑戦されています。

覚悟はいつでも自由

覚悟とは、ブロックチェーンのように、後からは改竄できない小さな約束を一つずつ刻んで未来へ繋いでいきます。それは、誰にも改竄されないし奪うこともできない。覚悟とはいつだって自由である、と思います。

多少失敗しても回り道しても、颯爽と生きることを決めてしまおう。たった一度きりの人生、こわくても挑戦してみると決めてしまおう。決めずに悶々としてるより、凛然と生きることを先に決めてしまおう。というように、自分で決めることができます。

これからの新しい時代に不安な人も、新しい環境に憂鬱な人も、繰り返す毎日に退屈で鬱屈としている人も、先に自分の覚悟を決めておけば、少子高齢化社会でも不景気でもどんなに不利な状況でも、晴々しく生きることができる、と思います。

春の季節は、新入社員の人も新しい職場や役職になった人も新しい期が始まる人も、何かと新しいことが始まる、新進の時節。新しい環境や挑戦、選択を後悔しない決断をできているか、と私も自分に問いをたてます。

新しいみぎりを、晴々れしく生きる覚悟はできているか。

文=高橋祥子

PICK UP

あなたにおすすめ

合わせて読みたい