中小企業の創業者から学ぶ、スタートアップ成功の3つの秘密

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会社を一から作り上げることは非常に難しい。起業して間もない事業主は、主に金銭、労働力、時間などのリソースが逼迫(ひっぱく)し、十分な訓練や経験を受けないまま、さまざまな仕事を次から次へとこなさなければならないことが多いからだ。

創業者は優れた発明家だったとしても、財務や会計、ロジスティクス、マーケティングの経験には乏しいかもしれない。

起業したばかりの事業主が直面する予想外の出来事や課題を理解するため、私は書籍広告代理店のスミス・パブリシティー(Smith Publicity)を20年前に創業した、ダン・スミス最高経営責任者(CEO)に話を聞いた。スミスは、同社を顧客1社のワンマン企業から、業界でも指折りの取り扱い作品数を誇る会社へと成長させた。



筆者:
中小企業の経営者として事業を行う中で、最も驚いたことは何ですか?

ダン・スミス:私は起業家になろうと思っていたわけではなかったので、利益を出すこと以外には、何をすべきなのか全く見当もつかなかった。ビジネスやその関連分野を勉強したこともなかったので、全てが新しかった。

起業の初期段階でとても驚いたのは、常に先を見据える必要に気づいたとき。顧客が集まり始めるとすぐ、既存の顧客にサービス提供するのと同時に新規顧客を探さなければならないことに気づいた。

書籍広告の分野では、長期的な顧客を持たないことが多い。というのも、本の発売開始後の数か月間サービスを利用すれば、新たな本が出ない限り、もう私たちのサービスは必要なくなることがほとんどだから。新規顧客を探しながら、既存顧客に高品質な顧客サービスを提供するのは容易ではなかった。社員が私しかいなかった時期は、なおさらだ。

会社の成長後、最も驚いたことは拡大の難しさだ。忙しくなったため新たな従業員を雇うと、今度はその分の経費が増えるため、業務を増やして常に忙しい状態を維持しなければならなかった。

現在は20人以上の従業員を抱えている。従業員を1人雇うたび、経費の増大に見合うよう売り上げを増やす必要があった。現在は、医療保険や生命保険など福利厚生を充実させたので、1人従業員を新たに雇うことで追加される経費はさらに増えた。
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翻訳・編集=出田静

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