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競争と脱落

過去10年間で、イギリスでは60以上のエネルギースタートアップが生まれている。

市場をより競争的なものにし、願わくば価格を下げるために規制当局「Ofgem」が方針を変更したことも影響し、いまでは54億ポンドある英国のエネルギー市場の20%をスタートアップが占めるようになった。

エネルギーの価格は下がったが、すべてのチャレンジャーが生き残れたわけではない。昨年のクリスマス以降、Future EnergyとBrighter World Energyは1万人の顧客をかかえたまま破綻。16万人の顧客をもっていたGB Energyも2016年にサービスを終了している。

エネルギー企業の倒産が続いたことによって、Ofgemは事業認可の条件を厳しくすべきだという声もある。だが、当然ウッドはそう考えていない。

ポジティブなエネルギー産業

「市場には、ぼくらのようなビジネスをつくり出すマクロな力はありません」とウッドは言う。「でも、もし60の企業があり、そのなかにサービスや価格の面で努力が足りない会社がいるのであれば、彼らが倒産するのは自然の法則です」

ほとんどのベンチャー企業が3年以内に潰れるとはよくいわれるが、そう考えればエネルギーセクターは健全な市場だと言う人もいるかもしれない。最注目の英エネルギー企業Ovo Energyは85万人の顧客をもち、昨年には550万人のイギリス人がエネルギーサプライヤーを換えたという記録もある。

こうしたエネルギー業界の驚くべき成果に対して、ファイナンシャルセクターでは2017年にアカウントを切り替えたのは100万人以下に留まり、その数は減少しているという。「現状のサプライヤーに不満をもっていても、切り替えるのが難しければ結局は現状に留まってしまいます。でも、エネルギーセクターに関してはそうではありません。それが、ぼくらにとっての最大のチャンスなのです」とウッドは言う。

プライス・キャップ方式(価格上限方式)がイギリスに導入されるにあたり、エネルギー業界の「ビッグ6」(ブリティッシュ・ガス、EDFエナジー、E.ON、n-パワー、スコティッシュパワー、SSE)はさらに苦労することになると専門家たちは予想している。一方で、プライス・キャップ方式はもともと低価格のサービスを提供するBulbやOvoといった小さなプロバイダーにとっては追い風となるだろう。

「だからこそ、ぼくらはいまスケールすることに集中し、Bulbのテクノロジーを数百万人に届けられるようにしているのです」とウッドは言う。

エネルギーセクターは、大きて、ややこしく、汚い産業だ。しかし、料理から暖房にいたるまで、人々の生活にとってなくてはならない産業でもある。「ぼくらにとっては、エネルギー産業をポジティブなものにするチャンスなのです」

翻訳・編集=宮本裕人

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