WiFiだけで導入できる米「倉庫作業ロボット」企業、27億円を調達

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ボストン本拠のロボット企業「6 River Systems(6RS)」が4月4日、メンロ―ベンチャーズ(Menlo Ventures)主導のシリーズB資金調達で、2500万ドル(約27億円)を調達した。メンロ―のパートナーMatt Murphyが6RSの役員会に加わる。既存出資元の「Norwest Venture Partners」や「Eclipse Ventures」「アイロボット(iRobot)」も出資に参加した。

6RSの製品は配送センターで人間と協力してフルフィルメントのタスクをこなす自動ロボット「チャック(Chuck)」だ。ロジスティクス企業の「Barrett Distribution Centers」や「XPO Logistics」が導入しており、従業員が倉庫で商品を探す手助けをする。注文を受けた商品の場所や注文数を把握し、最大160ポンド(約72kg)までの荷物を運ぶことができる。

チャックは効率的に商品を集め、順番を把握して従業員を案内する。フルフィルメントに関する問題の解決に役立つよう作業中にデータ収集も行う。オンボードのセンサーを活用して自動で動くため、導入する際に新たなインフラを整備する必要はない。

「必要なのはWiFiだけだ」と共同創業者であり共同CEOであるJerome Duboisは言う。「倉庫設備の改修の手間がないため、簡単に導入できる」

6RSのロボットを使う場合、ロボット本体と1年間のSaaS(ソフトウェア費用)とメンテナンスを購入する、もしくはロボットを1~2年の期限でレンタルする方法がある。SaaSとメンテナンスは1年ごとに更新できる。

大口顧客は購入とレンタルを併用し「通常業務用に購入して繁忙期には追加でレンタルする」のだとDuboisは言う。

6RSはDuboisがRylan HamiltonとChristopher Cacioppoと共に創業した。DuboisとHamiltonは2012年にアマゾンに買収された倉庫用ロボットメーカー「Kiva Systems」の元社員だ。CTOを務めるCacioppoは教育関連ハードウェアを販売する「Mimio」でR&Dを担当していた。

今回調達した資金で3つの目標を達成したいとDuboisは語る。1つはロボットの機械学習能力を向上させ、ヨーロッパでの販売に乗り出すこと。2つ目はソフトウェアソリューションをさらに充実させ、より多くの業務において判断材料となるデータを提供することだ。

「スタンドアローンで出来ることを増やし、倉庫管理能力を上げるための開発を始めている」とDuboisは言う。

3つ目は新たに80人以上の従業員を雇うことだ。「エンジニアと市場開拓チームの人員を増やす必要があり、多くの求人を出している」とDuboisは語った。

編集=上田裕資

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