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As Mobile Economist at TUNE, I forecast and analyze trends affecting the mobile ecosystem.

John Giannandrea(左)とティム・クック(右)(Photo by Getty Images)

アップルはAI(人工知能)アシスタント分野で競合に大きな遅れをとってきた。同社の「Siri」の能力は、2万5000以上のスキルを持つアマゾンのアレクサにはかなわず、知識量ではグーグルアシスタントに圧倒されている。

しかし、その状況に変化がもたらされることになりそうだ。アップルがグーグルのAI(人工知能)部門の主任を務めたJohn Giannandreaを引き抜いたことが明らかになった。これは大きなニュースだが、もっと驚くべきは彼の配属先だ。

報道によるとGiannandreaは、アップルでティム・クックの直属の部下になるという。ここから見えてくるのは、アップルがいかに今後の企業戦略においてAIを重視しているかだ。

ロシアのプーチン大統領は昨年、AIを制する国が世界を支配すると発言した。先日の調査企業「Tata Consulting study」の発表でも、84%の企業幹部たちが、AIが今後のビジネス戦略において必須のものになると考えていることが明らかになった。

AIは今後、企業のCEOが決定を下す上でも重要な役割を果たすことになる。アップルの未来を左右するのがSiriであることは明らかだ。

現状では旅行中にSiriに、これから向かう方向にあるおすすめのレストランを教えてもらうことはできない。iPhoneに話しかけて、5つの訪問先に向かうための最適ルートを探し出すことはできない。家族とアップルミュージックのアカウントをシェアしていても、Siriから妻や夫のスケジュールを聞き出すことは不可能だ。

これらの課題はアマゾンやグーグルも、解決できていない。しかし、こういった複雑な課題の解決こそが、今後のデジタルアシスタントに求められる役割になる。

テクノロジー企業にとって今後何よりも重要になってくるのは、デバイスそのものではなく、その製品にどんなインテリジェンスが備わっているかだ。グーグルのAI部門を支えた人物を、ティム・クックの隣に座らせるのは、アップルが何よりもインテリジェンスを重要視している事の現れだ。

Giannandreaの起用は、スマートスピーカー「HomePod」の機能を向上させることにつながるだろう。しかし、iPhoneやアップルウォッチ、MacBookといった同社のコア製品がさらにスマート化され、便利に使えるようになる未来も期待できる。

編集=上田裕資

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