人のつながりで、仕事に変化を起こすには?

3月16日に都内で開催された「Sansan Innovation Project」




自分は何ができる人間なのか、まずは可視化するところから

しかし、Eightやリンクトインのようなサービスを利用するにせよ、コミュニティで第三者の後押しを受けるにしろ、「誰かとつながるためには前提条件がある」と4人は口をそろえる。

それは、自分は何者なのか、これまで何をしてきて、何ができるのか、いまは何をしている人物なのかというのを、すべて可視化することだ。

それなしには、誰かの紹介を受けることも、ダイレクトリクルーティングのメッセージが届くこともあり得ない。リンクトインがスキルをタグ化しているのも、Eightが肩書きを示すことを奨励しているのも、まさにそうした意図から来ていることだという。

日本企業は長らく、個人の名前が前に出ることを嫌ってきた。「それは日本が終身雇用が当たり前の社会で、企業が社員の人生を丸ごと面倒をみる代わりに、途中で引き抜かれるリスクを避けるためだった」と村上は指摘する。しかし、もはやそういう時代は終わったというのは、少なくない人がすでに共有した時代認識のように見える。

であれば、むしろ個人が前に出ることで組織の枠組みを超えた新たなつながりをつくり、そこから新たなビジネスチャンスを見つけるというのは、自然な選択ではないだろうか。

武井が繰り返し言うように、「クリエイターのクレジットの入らない作品はありえないのと同じで、企業が個人を囲い込むのは本当にもったいない」。ビジネスでつながりの恩恵を受けるためには、まずはそこから改めなければならないということなのだろう。

文=鈴木陸夫 写真=吉岡晋

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