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2018.04.05 11:30

日本長者番付クローズアップ 訪日観光ブームに乗る大富豪たち

エイチ・アイ・エスの澤田秀雄会長兼社長(左、2017年3月撮影、Photo by Getty Images)

エイチ・アイ・エスの澤田秀雄会長兼社長(左、2017年3月撮影、Photo by Getty Images)

日本は近年、外国人観光客に人気の旅先となっており、国内観光業は過去5年にわたり着実な成長を遂げている。観光庁によると、2017年の訪日観光客は過去最高の2870万人を記録し、その消費額は前年比約18%増の約4兆4000億円に上った。

外国人観光客の大半はアジアからの訪問客で、韓国、中国、台湾が全体の3分の2を占めた。フォーブスがまとめた今年の日本長者番付で14位に入った伊藤雅俊のセブン―イレブン・ジャパンはこのほど、旅行客に向けて一部商品のラベルでの英語併記を開始した。

日本の観光産業は、2011年から15年まで年間33%の割合で成長し、世界でも非常に急速な発展を遂げた。不動産コンサルティング企業、ジョーンズ・ラング・ラサール(JLL)日本のリサーチ事業部長、赤城威志は、観光ブームを後押ししている要因として、アジア各国からの観光客に対する査証要件が厳格でないこと、格安航空会社が普及していることを挙げた。日本政府は、東京五輪が開催される2020年までに、訪日観光客を4000万人まで増やすことを目指している。

以下の4社は、今年の日本長者番付に入った3人と、まだ番付入りを果たしていない富豪1人が所有・経営し、この観光ブームの恩恵を既に享受していたり、それに賭けていたりする企業だ。

ドンキホーテ(安田隆夫)

ディスカウントストア大手ドンキホーテホールディングスを経営する安田の資産額は23億5000万ドル(約2460億円)で、番付では22位につけた。同社は2017年、観光客からの需要が高まったことなどにより、9%の売り上げ増を達成。一部店舗では人気商品のラベルが英語、中国語、韓国語、タイ語で記載されている。また、店舗では支払いに中国元やタイバーツなどの外貨も使える。

森トラスト(森章)

保有資産額66億ドル(約6900億円)で番付5位に入った森トラストの森章会長は、娘の伊達美和子社長と共に、ホスピタリティー分野での事業拡大を進めている。その一環として同社は昨年、米ヒルトングループと共同で、観光客に人気の沖縄・瀬底島に、期間ごとに居室所有者を割り当てる「タイムシェア」方式のリゾートホテルを建設すると発表した。

エイチ・アイ・エス(澤田秀雄)

旅行代理店エイチ・アイ・エス(HIS)はパッケージツアーの提供に加え、2つのテーマパークと25のホテルを経営し、バスツアーも運営する。また2015年には、ロボットのスタッフを配置した「変なホテル」を発表し、話題になった。会長兼社長を務める澤田秀雄の推定資産額は8億ドル(約840億円)で、番付には入っていない。

ABCマート(三木正浩)

三木正浩が創業した靴販売大手ABCマートは昨年、中国からの訪日客を主とした観光客需要による売り上げ増加を発表した。三木の保有資産額は40億ドル(約4200億円)で、番付13位にランクインしている。

【詳細】日本長者番付 トップ50の顔ぶれはこちら

編集=遠藤宗生

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