ビジネス

2018.04.05

イーロン・マスクに見る「カルト的」リーダーの問題点

Photo by FilmMagic/FilmMagic for HBO


疑いを持つ理由の一つは、最終的な結果がどのようなものになるかに関わらず、マスクが “破壊する”ことに一定の喜びを感じていることだ。つまり、マスクは困難な事態を収拾するのではなく、周囲のことを考えることなく無神経に行動している。子供のころにいじめられた経験と関係があるのだろうか。

テスラの、そしてマスクの性質に関するもう一つの特徴は、どのような障害や妨害があっても、前進し続けるということだ。マスクはテスラのほかアマゾンの創業者ジェフ・ベゾスCEOとも競い合う宇宙ビジネスについて、そうしたアプローチを取っている。だが、その取り組み方についてもまた、常に機能するという保証はない。

現状にとどまることなく変化を続けるのは、世界も同じだ。ベゾスは宇宙開発会社ブルーオリジンを立ち上げ、マスクと同じような大きな目標を掲げている。また、ドイツの高級車メーカーだけでなくジャガーやランドローバーなども、高級電気自動車でテスラを追い上げている。

直面するリスク

マスクには常に、傲慢な態度を取ってしまう危険性がある。そのことは、オートパイロット機能に少なくとも原因の一端があったと見られるテスラ車の最初の死亡事故への対応からも、見てとることができた。マスクがこのときの経験から何かを学んでいるのかどうか、3月末に発生した2度目の死亡事故への対応を見てみたい。

当然ながら、テスラがこれまでに犯したあらゆる失敗の中でも最も賢明ではなかったと言える行動は、エイプリルフールに「テスラが経営破綻」と投稿したことだ。

編集=木内涼子

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