人間関係を更新していくための「お互い様」の作法

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「君だから頼みたい」と、リスペクトを提示する
 
人にお願いするときの作法として、相手との関係性を考慮しながら、「長い付き合いだから、お互いに迷惑も掛け合いながらやっていこうね」、という前提が共有できていることも大切です。そのためには、お願いごとをするときに「あなたのこういう特技を尊敬しています。あなただからこそ頼みたい」と、きちんとリスペクトを提示するべきだと思います。
 
逆にリスペクトが感じられない一方的なコミュニケーション、例えば一斉送信メールだったり、都合のいいときだけ頼っていたりすると、相手に「搾取されてるのかな」と不安を抱かせてしまうものです。
 
とはいえ、僕も複数の人に同じお願いごとをするときがあります。そういうときは、あえてメールのテンプレ部分がはっきりわかるようにして、その文面のはじめに「あなたはこうだからこう頼りたい」、と書きます。

そして、終わりには、「これに関連して、今僕はこういうこともやってるから、興味あったらフィードバックするよ」と一言添えたりする。そうすると、相手もまた頼りやすくなったりしますよね。
 
つまり、僕が考える「お互い様」の根底にあるのは、お互いの関係性を刺激しあうことだと思います。お願い事にリスペクトを添えることで、「あなたのここがすごいよね」と暗に伝え合う。それが、僕と相手の関係をより心地いいものに更新していくのだと思うのです。

連載 : 働き方革命最前線─ポストAI時代のワークスタイル
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文=尾原和啓

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