上司の誤り、伝える時の「禁句」とは

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自分の間違いを正されることを好む人はいない。自分が上司の立場であれば、なおさらだ。上司は一般的に、自分に対する批判は自分の上から来るもので、下からは来ないと考えている。実際に多くの上司は、部下からいさめられた時はおろか、問題を報告された時であっても、建設的な対応さえできない。

私は最近、2万7048人の役員・管理職・従業員を対象に、『従業員からのフィードバックを無視することのリスク』という調査を実施した。結果、従業員が問題を報告した際に建設的な対応を取る上司は多くないことが判明した。

上司に仕事上の問題を報告すると「常に」建設的に対応してくれる、と答えたのはわずか23%。一方で、建設的対応を「全くしない」は17%だった。

仕事上の問題を報告された上司が建設的に対応できない、あるいはしようとしないことで、従業員が受ける影響は大きい。例えば、「あなたの働く会社は、すばらしい組織であると勧めることができるか?」と問われた時、上司が問題に「常に」対応する会社の従業員の方が、自分の会社を素晴らしい雇用主だと言う割合が12倍高かった。

これを上司の責任にするのは簡単だ。もしもあなたが上司の立場にいるのであれば、部下から問題の報告を受けたり、自分のミスを指摘されたりした際、どのように対応したらよいかを、真摯に考えてほしい。

一方で、部下の側から、より強固で生産的な上司との関係を構築するステップを踏むことも大切だ。それは単に、上司に対する言葉遣いを変えて、相手が聞きやすく前向きに処理しやすい形にするだけで済む場合が多い。

上司が間違っていることを伝えるため、以下のような言葉を使ってはいけない。

「あなたは間違っています」
「それは違います」
「それは正しくありません」
「それは理に適っていません」
「そんなのばかみたいです」

こうした類いの言葉は、3つの問題を生む。

まず、こう言われた上司は直ちに防御姿勢に入ってしてしまう。自分が「あなたは間違っている」と言われた時のことを考えてみるとよい。よくある反応は、認識の不一致からくる「お前に何がわかる?!」という姿勢だ。人間の脳は、自分のプライドを傷つけたり、自分の信念を覆したり、日々の生活の邪魔となったり、自分の地位を脅かしたりするような情報を嫌う。上司にとって、自分の誤りを指摘されることは、直接自分の地位を脅かすものとして受け止められることが多い。
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編集=遠藤宗生

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