リーダーシップに不可欠な「信用」を築く5つの方法

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作家/経営コンサルタントの故スティーブン・R・コヴィーは「信頼のスピード」と呼ぶ優れたコンセプトを持っていた。ある人が持つ信用は、信頼構築につながる。全面的に信用できる人との共同作業は、常に相手に不安を抱いたり相手の能力を量ったりしなければいけない人よりも、より効率的かつ生産的になる。つまり「信頼」は、ビジネス上の差別化を図るために欠かせないものだ。

信用は、信頼の主要な構成要素であると同時に、効果的リーダーシップの極めて重要な要素でもある。(現大統領を除き)広く評価されているビジネスリーダーの中に、信用性に大きな問題を抱えた人はいるだろうか? 逆に言えば、信用性が高いと評価された人は、重用され、貴重なチームプレーヤーとなり、皆から一緒に仕事をしたいと望まれる。

では、根本から「信用できる人」になるためには、どうしたらよいだろうか? この堅牢な基礎構築に向けては、多くの方法があり得るだろう。しかし、長年にわたりマネジメントに携わってきた私の経験では、中でも特に重要な5つの方法がある。

1. 結果を出す

至極当然のことのように思えるかもしれないが、改めて指摘する価値がある点だ。マネジメントとは、結果志向の努力以外の何物でもない。信用を得るためには、ライン監督者からCEOまでのどのレベルであれ、管理者が組織の求める結果を出すだけの能力を持っていなければならない。言うまでもなく、結果が伴わなければ信用も得られない。

2. 率直さを持つ

私自身が社員コミュニケーションの責任者だったキャリア初期に、人事担当上級副社長と交わしたある会話がある。詳細は思い出せないが、彼の態度ははっきり覚えている。私は彼にこう言った。「従業員に“それはダイナマイト級だ”と言ってはいけません」と。そう、本当に「ダイナマイト」という言葉が使われたのだ。このように、まるで実態を理解する能力のない劣った存在のように従業員を扱うことは、表面的な考え方であり、信用を損なう。

この人事アプローチは、2つの基本を見逃している。まず、多くの従業員は経営陣と同じ知性レベルを持つという点。そして、従業員は長い時間をかけて経営陣を注意深く観察しているという点だ。率直さは重要であり、それを裏付ける多くの研究結果もある。信用を得たければ、人に対して実直であること。そうでなければ、川をさかのぼるマスのように、常に流れに逆らって泳がねばならないだろう。
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編集=遠藤宗生

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