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福田
:トイレでも、今はただ単に排泄し終わったら流してしまうけど、便器にセンサーを組み込んで常に便の状態をモニタリングすれば、便を自分で見なくても例えば数値情報としてスマホで見ることができるようになりますよね。

井上
:確かにあの茶色い物体を直接見るよりも、数値化されたグラフを見た方が、今の我々には入りやすい。それ、是非つくってほしいですね。腸内環境を可視化できるようになったとして、100年後のお腹の中ってどうなっているんだろう。

山田:僕は、「個人に合った最強の腸内細菌叢」ができるようになっていると思います。想像している以上に早く、腸内環境のデザインはできるんじゃないかなと。

福田:それは絶対できる。だってメタジェンでやるわけだから。腸内をデザインできる状態がつくれても、きっと次の問題が出てくるはずなんですよ。現代人が、がんに侵されているのがそうじゃないですか。昔は60歳くらいで寿命がきていたのが、長生きになったらがんが出てきた。

そうするとわれわれが腸内環境の研究を頑張ったら100年は健康に生きられるかもしれないけれども、その先にはまた何か違う課題が出てくると思うんです。でもそれは、われわれがつなぐ未来へのバトンタッチなんですよ。現状できることは、次の世代にバトンタッチするために、100歳まで健康でいられるための研究をすること。

山田:100年後、私達は好きなものを食べ、好きなように生活しつつも、腸内環境をベストな状態に保てるようなテクノロジーができているはずなんですよ。腸内細菌も生き物なんだから、人間と同じ様にケアしてあげなきゃいけないと思うんですよね。ただ、特別に健康を意識せずとも、それが実現できるような世界を創っていきたいですね。

井上
:そのとき、便の色は何色なんですかね。

福田&山田
:そこはメタジェンカラーのオレンジでしょ!


福田真嗣◎株式会社メタジェン代表取締役社長CEO博士(農学)/2006年、明治大学大学院農学研究科博士課程修了。理化学研究所基礎科学特別研究員などを経て、2012年より慶應義塾大学先端生命科学研究所特任准教授。2013年文部科学大臣表彰若手科学者賞受賞。2015年文部科学省科学技術・学術政策研究所「科学技術への顕著な貢献2015」に選定。同年、ビジネスプラン「便から生み出す健康社会」でバイオサイエンスグランプリにて最優秀賞を受賞し、メタジェンを設立。同年、代表取締役社長CEOに就任。専門は腸内環境制御学、統合オミクス科学。

山田拓司
◎株式会社メタジェン取締役副社長CTO博士(理学)/2006年、京都大学大学院理学研究科博士課程修了。京都大学化学研究所特任助手、欧州分子生物学研究所研究員、東京工業大学大学院生命理工学研究科講師を経て、2016年より東京工業大学生命理工学院生命理工学系准教授。2015年、メタジェン取締役副社長CTOに就任。ヒト腸内に共生する細菌群衆が織りなす代謝経路のデータベース化を通じて代謝物質を介したヒトと腸内細菌叢との相互作用の解明を目指している。

井上 浄
◎株式会社リバネス取締役副社長CTO 博士(薬学)/薬剤師。2002年、大学院在学中にリバネスを設立。博士課程を修了後、北里大学理学部助教および講師、京都大学大学院医学研究科助教を経て、2015年より慶應義塾大学特任准教授に就任・兼務。研究開発を行いながら、大学・研究機関との共同研究事業の立ち上げや研究所の設立、ベンチャー企業の立ち上げ等に携わる。2016年、ポストヘルス時代における人のあり方を思索する『ヒューマノーム研究所』を設立。

構成=ニシブマリエ 写真=藤井さおり

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