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2018.04.02

Supremeがコラボする異端の女性写真家、ナン・ゴールディンの素顔

ナン・ゴールディン(Photo by Sean Gallup/Getty Images)

ストリートブランドの「Supreme(シュプリーム)」が写真家のナン・ゴールディンとコラボしたシリーズを発表した。1953年生まれのゴールディンは1970年代からボストンでドラァグクイーンやLGBTの人々との同居生活を始め、私小説的アプローチで赤裸々なポートレートを撮影した。

ゴールディンは日本では荒木経惟とコラボを行ったほか、長島有里枝やHIROMIX、蜷川実花らの多くの女性写真家たちに影響を与えた。

Supremeはこれまで、ルイ・ヴィトンやナイキともコラボを行ってきたが、ニューヨークに本拠を置く同社は最新のコラボシリーズに、ゴールディンの名を加えることをアナウンスした。

ゴールディンが撮影したポートレートがプリントされたTシャツやパーカー、スケートボードなどが発売される。

「私の考えでは若い人々は昔に比べて、とても保守的になっている。特にミレニアル世代を見ているとそう思う。まるで1960年代なんて無かったことにされたように感じるのだ。だから、私の撮ったリアルな写真が彼らの着る服にプリントされるのは、とても気分がいい」と、2006年にはフランスのレジオンドヌール勲章を授与されたゴールディンは話した。

ゴールディンは70年代から80年代にかけてのドラッグカルチャーや、トランスジェンダーのシーンを生々しく切り取った。「現代のLGBTコミュニティの先駆けをつくったのが、私の仲間たちだった」と彼女は話した。

Supremeは1994年にJames Jebbiaによって設立された。その後、2017年10月にSupremeは株式の50%を投資会社のカーライル・グループに売却し事業を拡大した。

「ナン・ゴールディンの作品はリアルで生々しい。彼女は自身にとって意味のある場所や事柄を撮影テーマにした。そこに写された事の多くは、当時の社会的規範ではタブーとされているものだった。今回のゴールディンとのコラボにより、彼女の作品の多様性を祝福し、若い人々にその存在を訴えかけていきたい」とSupremeは声明で述べた。

編集=上田裕資

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