金融から紐解く、世界の「今」


例えば、彼らのデータの収集や活用そのものを止めさせることは、そのビジネスモデルを成り立ちにくくすることにもつながる。巨人が大きくなり続けて良いと言う訳ではないけれども、無理やり小さくしようとすれば、今度は立っていられなくなるかもしれないのである。フェイスブックのデータ問題に注目が集まって以降のデータ・ジャイアント企業の株価動向は、このような懸念を反映しているようにも思える。

また、自分のプライバシーを切り売りしてでも安価なサービスを求める人々に支えられた、より制御の難しいデータ・ジャイアントを、新たに生んでしまう可能性もある。

神話の巨人は、その多くが「人間次第」のキャラクターとして描かれている。彼らは基本的に友好的であったり(少なくとも初めから敵対的ではなかったり)、時に人間世界に利益をもたらすが、特定の人間が支配欲などに駆られて扱いを間違えると、大変なことになる場合が多い。

データ・ジャイアント企業についても、我々がまず考えるべきことは「巨人との共存」であろう。この視点に立てば、例えば「データの有効活用」と、「データ利用に関する各人のコントローラビリティやプライバシーの確保」をいかに両立させるかが重要となるし、このためには、新しい情報技術をこうした目的のために役立てていく関係者の取り組みも求められる。

一方で、何よりも危険、かつ避けなければならないことは、巨人の力(データ)を、特定の人間が乗っ取って恣意的に使おうとすることだろう。

連載 : 金融から紐解く、世界の「今」
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文=山岡浩巳

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