ファーウェイがブロックチェーン基盤の「保険サービス」開発へ

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中国のファーウェイはスマートフォンに限らず、あらゆる領域でイノベーションの最先端に立とうとしている。海外でファーウェイはハードウエアメーカーとして有名だが、中国で最大規模のクラウドサービスも運営している。

そのファーウェイが先日、ブロックチェーンを活用した保険サービスの開発に乗り出すことを発表した。これは、「Che Che Technology」と「Hai Lian Jin Hui」の2社と合同の取り組み。サービスの開発は「ファーウェイ・クラウド」を基盤として行われ、既存のクラウド利用者らもプロジェクトに参加できる。また、外部のデベロッパーも開発に加わることが可能だ。

ファーウェイはブロックチェーンを活用した保険の仕組みに、様々な企業が関わることを望んでいる。保険の査定を行う企業や決済関連の企業、保険の監査を行う企業の参加も呼びかけている。

開発の管理はHai Lian Jinが行う。プラットフォーム上では様々な企業が、ブロックチェーンを用いた信頼システムでつながることになる。今回の動きは中国のテクノロジー分野で進む、コラボレーションのトレンドの一例といえる。

ファーウェイのような大手企業がプラットフォームを立ち上げ、伝統的な大企業を巻き込んでイノベーションが進んでいく。そこに参加するスタートアップ企業が、業界全体の技術革新を推進していく形だ。

ファーウェイは昨年、ブロックチェーンを基盤とする知的財産保護システムの特許を出願していたことも明らかになった。同社はP2Pの仕組みを用いたコンテンツの著作権管理システムを開発し、利用者の身分証明やアクセス記録を永久的に記録できるプラットフォームを構築しようとしている。

中国政府は仮想通貨には厳しいスタンスをとっているが、ブロックチェーンを基盤としたテクノロジー開発は大きく前進している。小売大手のJDも先日、食品の流通の現場でブロックチェーンを利用した追跡システムの導入を計画中と報道されている。

編集=上田裕資

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