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photobyphm / Shutterstock.com

共同生活型の「コリビング」物件を運営する英国のスタートアップ、ザ・コレクティブ(The Collective)はこのほど、米国とドイツの両市場に進出し、所有する不動産ポートフォリオを倍以上に増やすという大胆な計画を明らかにした。実現すれば、同業界で最大規模の1社となる。

カリスマ的と言われるザ・コレクティブの共同創業者、レザ・マーチャント(29)はフォーブスの独占取材に対し、英国のほか米国とドイツに合わせて約4500室となるコリビング向け物件を建設・運営する計画について語った。

新規事業には、民泊仲介サイト大手エアビーアンドビーの初期の投資家であり、世界中の注目の若手を選ぶフォーブスの「30アンダー30」にも選ばれたドイツの起業家、ジョナサン・テクルが出資する。また、テクルは今後、ザ・コレクティブの顧問にも加わる予定。

英コリビング界の「キング」

「コリビング」は、シリコンバレーで広まった“ハッカー・ハウス”の文化から生まれた。開発者たちが大きな家を借りて一緒に暮らし、働くようになったことに原点がある。その後、その概念は進化し、現在では「全く新しい暮らし方」という意味も含むようになっている。

ザ・コレクティブが提供するのは、リビングやコワーキングのためのスペースを入居者が共有するサービスアパートメント。すでにロンドン西部で、部屋数が550になるコリビング物件「オールド・オーク」を運営している。

オールド・オークはコワーキング・スペースに加え、ジムやスパ、ライブラリー、映画館を併設。さまざまなことが学べる講座も開催している。1部屋当たりの賃料は、月額800ポンド(約12万円)から。共有施設の利用料金や光熱費は、賃料に含まれる。

マーチャントによれば、現在のところこの物件は満室で、利用者の平均年齢は28歳。入居者の年間退去率は約50%となっている(入居者の平均年齢からみて、一般的な数字だ)。マーチャントは同物件の運営が好調であることについて、コリビングの概念が適切なものであることの証明だと捉えている。

英国では、オールド・オークのように1部屋の居住スペースが狭い物件を批判する声もあり、そうした物件は刑務所の独房と比較して語られることも多い。だが、それでもコリビングに入居を希望する人は多く、物件には強い需要がある。

英国の不動産サービス大手ジョーンズラングラサール(JLL)の関係者によれば、「不動産の購入を希望しない、または購入できないと考えている人たちに適した良質で手ごろな賃料の物件は、不足している」。

ザ・コレクティブは2019年末までに、ロンドン東部のストラトフォードとカナリーワーフの2か所にも、新たな施設を開業する予定だ。

編集=木内涼子

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