ビジネス

2018.03.31

米国で急増の「コミック原作」ドラマ、スーパーマン関連も

ロンドンで行われたDCコミックの展覧会(Photo by Jack Taylor/Getty Images)


コミック原作ドラマが増えている背景には、ドラマの送り手たちの視聴者獲得争いがある。FXネットワークのジョン・ランドグラフCEOによると、米国では2017年、487本の連続ドラマが放映された。2012年と比べると69%の増加だ。さらに映画、ゲーム、デジタルメディアなど他メディアのコンテンツも多様化しており、競争は激化している。各局が著名なコミックを題材に選ぶのは自然の成り行きと言えるだろう。

eMarketerのアナリスト、ポール・ヴァーナは「テレビや映画の世界は予測不可能なことが多い。激しい競争の中で、製作者は少しでも予測しやすい題材に手を伸ばしたくなるはず」と話す。

成長著しい動画配信サービスもこの競争の一端を担っている。ネットフリックスは2013年、マーベルと提携し、同社のキャラクターを主人公にした「デアデビル」、「ジェシカ・ジョーンズ」、「アイアン・フィスト」、「ルーク・ケイジ」の4本を製作した。ネットフリックスは詳細な視聴者データを公表していないため、それらの作品の収支は不明だが、今後のラインナップにもコミック原作の作品が並ぶ。

「リバーデイル」と同じアーチー・コミックスの人気キャラクターの一人で、1996年から2003年まで放送された「サブリナ」でもお馴染みの10代の魔女サブリナを主人公にした「Chilling Adventures of Sabrina」の他、「アンブレラ・アカデミー」や「Cannon Busters」といった作品を配信する予定だ。

フールーも昨年、マーベルとの初のコラボレーションとなる「ランナウェイズ」を発表した(日本では4月18日より配信)。またアマゾンは、過去に実写化やアニメ化されて人気を呼んだティックのリブート作品「ティック〜運命のスーパーヒーロー」をオリジナルドラマとして配信しているほか、「プリーチャー」の原作者による同名コミックをベースにした「The Boys」やディストピアSF作品「Lazarus」に出資している。

このようにコミック原作のドラマが増えると、視聴者に飽きられることはないのだろうか? マーベル・テレビジョンのジェフ・ローブ副社長は昨年、「AdWeek」の取材に対し、次のように答えている。「私たちの誇りは、作品ごとに雰囲気、トーン、テーマ、キャストが異なること。警察ドラマや医療ドラマ、法律ドラマを作る人には、そのような質問はしないはずだ」

編集=海田恭子

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事