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2018.03.31

米国で急増の「コミック原作」ドラマ、スーパーマン関連も

ロンドンで行われたDCコミックの展覧会(Photo by Jack Taylor/Getty Images)

多数のファンを持つ有名コミックは、映画やテレビドラマの製作者にとって金のなる木だ。米国ではコミック原作の映画がスクリーンを賑わすようになって久しいが、近年はテレビドラマ化の企画が急増している。

現在放映されているコミック原作のテレビシリーズは約30本。そのうち3分2が実写作品だ。昨年の同時期は約16本が放送されており、1年で約19%増加したことになる。一口にコミック原作と言っても、第8シーズンに入ったAMCのゾンビホラー「ウォーキング・デッド」から、ティーンに絶大な人気を誇るCWの青春ミステリー「リバーデイル」までジャンルは幅広い。

3月21日には、Syfyで新シリーズ「クリプトン」が始まった。キャメロン・カフ演じるスーパーマンの祖父・セグエルを主人公に、スーパーマンの故郷であるクリプトン星の滅亡までの道のりを描く。ワーナーブラザースが製作し、英国人を中心としたキャストと多国籍のスタッフがクレジットに名を連ねる。

オーストラリア人エグゼクティブ・プロデューサーのキャメロン・ウェルシュは、ドラマの内容について「単なる誕生秘話的作品ではない。タイムトラベルの要素を通して、現代にも関わるストーリーだ。超悪役はいるが、(アメコミに多い)超人的パワーを持つ者は出てこない」と説明する。

同作はスーパーマンの世界観や設定を踏襲している一方で、物語の展開自体はオリジナル性が高く、原作コミックには存在しない女性や有色人種の人々が主要キャラクターとして登場するのも特徴だ。なお、初回の視聴者数は130万人。題材の知名度が高い割には振るわなかった。

1938年にDCコミックから誕生したスーパーマンは、ジョージ・リーヴス主演の「スーパーマンの冒険」(1951-1958)で初めてテレビ画面に登場して以来、何度も連続ドラマ化されてきた。90年代はスーパーマンとロイスのロマンスに焦点を当てた「LOIS & CLARK/新スーパーマン」(1993-1997)が作られ、2000年以降はスーパーヒーローになる以前のクラーク・ケントを描いた「ヤング・スーパーマン」(2001-2011)が長寿番組となった。現在はスーパーマンのいとこが主人公の「スーパーガール」がCWで放送中だ。
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編集=海田恭子

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