ホールフーズに非常に忠実な幹部たちの中には、アマゾンのスピードの速さやその文化に困惑している人たちもいるに違いない。アマゾンが示す新たな方向性に、彼らは恐らく合意しないだろう。
私たちは、そうしたホールフーズ幹部たちの長年の努力に感謝している。新しい食品・飲料を店内に棚に並べるための彼らの努力がなければ、人気商品になることもなかった食品もあるかもしれない。だが、その幹部たちはホールフーズを去るべきだ。
食品雑貨の販売に関するアマゾンの“レンズ”は、従来型の同業者のそれとは異なる。仕事をし始めてからずっとこの業界でキャリアを積んできたというような人たちの間では、現在議論されている問題などに関していら立ちが広がることもあるだろう。だが、それはホールフーズにとって良いことだ。
ウォルマートが食品販売に進出し、国内最大手になった数十年前と同様、食品雑貨業界はアマゾンや生鮮食料品の買い物代行サービスを請け負うインスタカートなどによって、再び目を覚ましたのだ。
食品販売は今、シリコンバレーのスタートアップのような“クールな”企業の参入が相次ぐ業界だ。食品小売のほか製造、細胞農業、農業、ブロックチェーンに携わる新興企業が増えている。袋詰め作業をしていた労働者が食品販売業者の経営者になるという伝統的な出世コースはもうあり得ない。食料品店とはどのようなものか、考え直すべきときなのだ。