さらに、ベトナムの人口構成は若く、2015年には年齢の中央値が30.4歳だった。「ベトナムは若者の人口が非常に多く、ネット利用率が高い。彼らの中には起業家も多く、自国のビジネスを成長させることに関心が高い」とWarrenは話す。
一方で、ベトナムで成功を勝ち取るのは容易でないのも事実だ。デジタル化に熱心な若者が多いにも関わらず、ECで購入経験があるネット利用者の割合は30%に過ぎない。今後の課題は、決済手段を拡大し、消費者のEコマースに対する不信感を克服することだろう。
「ベトナムで成功を収めるためには、消費者の信頼感を勝ち取ることが重要だ。また、物流や決済インフラに大きな投資をする必要もある」とWarrenは話す。ペイオニアは地元企業と提携し、販売者と消費者の双方が信頼できる決済ネットワークの構築を目指している。
ベトナムは、EC普及率や売上金額において他市場の後塵を拝している。しかし、アリババやアマゾンなどの大手マーケットプレイスが進出を図り、地元企業の「NextTech」が“ベトナム版アリババ”を目指すなど、EC市場の成長はまだ始まったばかりだ。