3月22日にCNNが放送した元プレイメイトでモデルのカレン・マクドゥーガルとのインタビューは、25~54歳の視聴者層で60万8000人の視聴者を獲得し、ケーブルニュースの視聴率で最高となった。また、21時台も68万3000人が視聴した。
3月25日にクーパーはCBSの「60ミニッツ」で、同じくトランプと不倫関係にあったポルノ女優のストーミー・ダニエルズを取材した。CBSによると視聴者数は2200万人を突破し、10年近くで最も高い数字をはじき出した。
クーパーは女性たちから巧みに話を聞き出した。マクドゥーガルには既婚男性との関係に罪悪感があったことを認めさせた。また、ダニエルズからは「トランプには性的魅力を感じなかったが、2006年に肉体関係を持った」という内容の発言を引き出した。
性行為の具体的内容にはふれなかった。しかし、床に四つん這いになったトランプが、ポルノ女優に雑誌で尻をスパンキングされたというエピソードは米国民に衝撃を与えた。
今回のインタビューはクーパーにとってもCNNにとっても最高のタイミングで放送された。CNNの「事実のみを取り上げる」番組は、このところ保守的な「Fox」ニュースやリベラルな「MSNBC」の番組に視聴者を奪われていたが、CNNが反撃を果たした形だ。
トランプはマクドゥーガルやダニエルズとの関係や、十数人の女性が訴えているセクハラについて否定している。しかし、クーパーのインタビューが高視聴率を獲得した今、トランプとの不倫関係を暴露する女性が今後さらに増える可能性もある。
大統領の不倫スキャンダルは今に始まったことではない。クリントン元大統領やケネディ元大統領らがその例だ。クリントンは1990年代に元インターンのモニカ・ルインスキーとの不倫関係を当初は否定するも後に認め、下院での弾劾に進展した。ABCニュースで放送されたルインスキーのインタビューは当時4800万人が視聴した。この巨大すぎるテレビ視聴者数記録を現代のメディア状況で再現することは、クーパーの力をもってしても不可能だろう。