「無用な心配」は本当に無用? 不安に向き合うべき3つの理由

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私は先日初めて、家を売った翌日に新しい家を購入した。家の売却が新居の購入に間に合わない可能性を知りたかった私は、数日前に弁護士と面会した際、送金の仕組みを理解すべく質問を重ねた。

送金が短時間遅れることで生じる影響は小規模だと理解した私は、次の論理的なステップを踏んだ。なんらかの予期せぬ理由で、売却が完全に失敗した場合はどうなるのか? 私は、不動産購入手続きの場に資金を持たずに到着し、その2時間後には引っ越しの荷物一式が届いてしまう状況を想像した。

ここで弁護士は「脳のスイッチを切らないと、頭がおかしくなりますよ」と言った。この考えには真っ向から反対だ。その理由は3つある。

1. 心配は無視しても消えない

しつこい心配事は、どれだけ無視しようと努めても消えない。自分をむしばみ、胃痛や頭痛、ストレスの原因になる。人は、こうした行動を取ってしまいがちだ。

恐怖心を見せるのは恥ずかしい、神経質な人だと思われたくない、「ばかばかしい! 無用な心配はやめて」と何度も言われたことがある、などの理由から、心配を無視しようとするのだ。しかし、それではうまくいかず、心配は消えない。

また、何かうまく行かないことがあり、心配が正しいことが裏付けられれば、自分や他者を責めてしまう。こうしたアプローチは、自分の健康や対人関係に良くない。

2. 「最悪の事態」は恐れるほど悪くない

ベッドの下に怪物がいるような気がしても、明かりをつければなんともない。最悪のシナリオを考えるときも同じだ。曖昧な不安感や悩みを、特定の問題に置き換えることさえすれば、問題が起きる可能性とその深刻さを評価できる。

光を当てて明確にすれば、問題が起きる可能性もその深刻度も心配に値しないことが多い。私が送金の遅れに関して質問したときもこのパターンだ。そもそも、送金が遅れる可能性はほとんどなかった。

万一遅れたとしても、関係者は全員、送金を辛抱強く待ってくれるだろう。家の所有者は売却の意思を変えないはずだし、私たちも購入する気でいる。弁護士や仲介業者も売買を完了させることを望んでおり、このような事態を経験するのは初めてではないはずだ。このように、明かりをつければ「暗闇の怪物」は消えてしまう。
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編集=遠藤宗生

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