エコーに全力を注ぐアマゾン 全ては「インターフェース」のため

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写真の機器が何かお分かりだろうか? そう、アマゾンのスマートスピーカー「エコー」だ。米国では現在、成人の16%がエコー、または競合製品の「グーグルホーム」を所有している。まだ自分の地域で発売されていないけど、エコーはもう見飽きたという人もいるかもしれない。そんな人には残念なことだが、これからはエコーのさまざまなモデルを今より頻繁に見かけるようになるだろう。

人の発言を聞いて返答する機械を少し気味悪く感じる人もいるかもしれないが、いずれはあなたの家にもやってくるであろうし、今からこの製品の仕組みや使用法を学んでおくといいだろう。

エコーは、アマゾンの戦略の重要な一部を担っている。つまりは、抵抗しても無駄ということ。エコーは、開発者がやらせたいこと(スキル)を設計できるプラットフォームとなっており、このガジェットが提供する価値は、単にあまりにも魅力的なのだ。

エコーに搭載された人工知能(AI)「アレクサ」は今や、アマゾンにとってジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)よりも重要な存在だ。あなたはすぐに、今まで想像もしなかったようなエコーの使い道を発見するだろう。

アマゾンがエコー向けに採用した開発者の数は、グーグルがユーチューブやウェイモなどの重要ビジネス部門を含め全社で採用した開発者の数よりも多い。その理由は、アマゾンがグーグルホームやアップルの「ホームポッド」を突き放し、米国での家庭用音声アシスタント機器のシェアで70%を占めていることにある。

同社は現在エコー向けに、エンジニアやデータサイエンティスト、開発者、自然言語処理専門家、支払い処理のアナリストや専門家を採用中だ。アマゾンはエコーに全てを賭けている。エコーは、その他多くの製品とは違うのだ。

エコーは端的に言って、アマゾンが現在取り組む最も重要な開発プロジェクトだ。企業と顧客の直接的な橋渡しになるよう設計された同製品を使えば、顧客はその他の機器を使わずに済む。スピーカーに話しかければアマゾンと連絡が取れ、自動で答えが返ってくる。このような製品を、他にどうやって説明できようか?
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編集=遠藤宗生

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