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フォーブス ジャパン 編集長




5大賢人の3人目は、BRICsの名付け親であるジム・オニール。BRICsの台頭とその後の成功を予測したオニール氏にこれからの為替市場、新興国について聞く。

為替投資はインド・ルピーが魅力的
高野:為替投資についておうかがいできればと思います。通貨への投資は2つの見方があります。1つは、ゼロ・サム。つまりは、誰かがもうけても誰かが損をし、取引の結果として残るのは市場のボラティリティー(変動率)というリスクのみ。もう1つの見方は、長期的に利益をあげることが可能なツール。オニールさんは、通貨への投資で利益を得られると思いますか。

オニール:私自身、個人投資家として、通貨に投資し、投資益を得てきました。ですから、短期的ではなく、長期的に慎重に考えて投資できれば、つまり、著しく割安、もしくは割高な通貨を見つけて、適切なタイミングで長期的なサイクルで投資できれば、利益を上げることができると思います。

高野:具体的にどうすればいいのでしょうか。

オニール:私は4つの指標・理論が重要だと思っています。1つは、購買力平価。私はGSDEER(購買力平価を生産性で調整した指数)という独自指標を作り、ある通貨が標準偏差の倍以上、乖離している場合、投資しています。
 次は、国際収支です。経常赤字国と経常黒字国ではあきらかに通貨に対する信頼度が変わります。3つ目は、政治。政治家が通貨にどれだけ重きをおいているかです。たとえば、12年11月、日本円が反転しました。当時、日本に滞在したのですが、アベノミクスが日本人の想定以上に重要なものになると思いました。なぜなら、日本円が標準偏差の2倍以上割高で、かつ、安倍晋三政権が真剣に取り組むことがわかったからです。だから、「BUY ABENOMICS」と言ったわけです。その結果、どうなったかは言わずもがなだと思います。
 最後は、トレンドです。シンプルですが、200日移動平均線でトレンドを把握することは欠かせません。とくに「変化のはじまり」を捉えることができるからです。

高野:4つの理論に基づくと、投資家はどの通貨に投資すればいいのでしょうか。

オニール:割高なニュージーランド・ドルの「売り持ち」だと思います。現在は、「売り持ち」の通貨が多い気がします。
 新興国については、トルコ・リラについて悲観的な見方です。FRBが利上げをはじめると、トルコが大きな経常赤字を抱えているため、脆弱な通貨になると思います。
 その他では、スイス・フランには期待しています。依然として非常に強い通貨ではありますが、政治家がこれ以上の上昇を抑えようとしている。ですから、いまは円やユーロよりそれらの通貨への関心が高いです。

高野:日本では個人金融資産が1,500兆円を超えています。ほとんどが銀行口座にあり、3%しか海外の通貨へは投資されていません。

オニール:日本の個人はもっと分散して通貨を保有したほうがいいと思います。私がミセス・ワタナベ(日本のFX 市場の個人投資家の俗称)だったら、インド・ルピーが投資対象として魅力的。ミセス・ワタナベは高利回り通貨が好きだという側面と、インドは強力なリーダーの登場で経済が回復し、原油価格の下落がそれを後押ししているからです。
(以下略、)

高野真(弊誌編集長)=インタビュー

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