ここではテクノロジー関連の3カテゴリで選出された注目の起業家を紹介したい。
「インフォステラ」COO|石亀一郎(25)
30アンダー30アジアの「エンタープライズテクノロジー」部門のトップに選ばれたのが、人工衛星用アンテナのシェアリング事業を手がける「インフォステラ」の共同創業者でCOOの石亀一郎だ。同社は人工衛星の運用に欠かせない、地上アンテナを企業間で共有するサービスを手がけ「衛星分野のエアビーアンドビー」的ポジションを築いている。
近年は人工衛星の打ち上げ数が増加するなかで、コストの高い地上アンテナの建設が需要に追いついていないのが現状だ。インフォステラはクラウドプラットフォームの「StellarStation」を通じ、世界中の待機中のアンテナと衛星をつなぐサービスを提供している。
同社は2017年9月、「Airbus Ventures」が主導したシリーズA資金調達で8億円を調達した。インフォステラの設立は2016年1月。石亀と航空宇宙エンジニアで同社CEOを務める倉原直美らが協同創業した。
「Xloong」創業者|Shi Xioagang(27)
中国の27歳、Shi Xioagangは政府のAI(人工知能)やAR(拡張現実)の活用を後押しするスタートアップ「Xloong」を2015年に創業した。同社が開発した警察官向けのARヘッドセットは、内蔵のカメラで撮影した顔写真を国民データベースと照合し、犯罪容疑者の発見に役立つ情報をリアルタイムで表示する。
Xloongはまた、製造業や医療現場で活用可能なARヘッドセットのソリューションの開発も行っている。Shi Xioagangは30アンダー30の「インダストリー、マニュファクチャリング&エナジー部門」のトップに選出された。
「Sonder Design」創業者|Francisco Serra-Martins(28)
オーストラリアの28歳、Francisco Serra-Martinsは、自由にカスタマイズ可能なキーボード「Sonder KeyBoard」を開発した。199ドルでプレオーダーを受付中のこの製品は、キートップにEインクを使用し、キーの配列や個々のキーの機能を個別にカスタマイズ可能なキーボードだ。
Serra-Martinsが創業した「Sonder Design」はフォクスコンからの出資も受けている。同社は今後、この製品のインターフェイスをスマートフォンやノートブックにも適応させていきたい考えだ。「人々とテクノロジーとの関係を再定義するようなキーボードを生み出したいと思った」とSerra-Martinsは述べている。
英紙「ガーディアン」は2016年10月の記事で、アップルがSonder Designに対し買収提案を行っていると伝えていた。同社は30アンダー30アジアの「コンシューマーテクノロジー」部門トップに選ばれた。