「世界一」のチャンギ国際空港、新施設の開業でさらに魅力向上へ

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航空業界が専門の市場調査会社、英スカイトラックスが先ごろ発表した「ワールド・エアポート・アワード」で、シンガポールのチャンギ国際空港が6年連続の「世界一」に輝いた。この前例のない快挙は、シンガポールがアジア地域の各地への玄関口となるために費やしてきた時間と資金、労力を反映するものだ。

チャンギ国際空港に備えられたさまざまなアメニティ(設備・施設)は、同空港がこの"偉業"を達成する上で大きな役割を果たしてきた。アワード(ランキング)は、世界中の空港を利用する数百万人を対象としたアンケート調査の結果に基づき決定されるものだ。

同空港には、フリークエントフライヤーや一部のクレジットカート所有者が1日中いつでも利用できるラウンジが20数か所あるほか、24時間いつでも誰でも無料で最新のヒット作を鑑賞できる映画館2か所が設けられている。また、屋上にはスイミングプールがあり、敷地内にはヒマワリの庭がつくられている。シンガポール国内にあるその他の施設と同様に、ビジネスと娯楽を明確に区別しないことが特徴だ。

最も効率性が高く美しい空港としての評価をさらに高めたい同空港は、敷地内に2019年 「ジュエル・チャンギ・エアポート(Jewel Changi Airport)」を開業する予定。10階建ての複合施設となるジュエルは、建設費用が10億ドル(約1049億円)以上。完成すれば、床面積およそ13万3780平方メートルのスペースに飲食店や小売店、合わせて約300店舗が入居する。

チャンギ空港の利用者数は2017年、6220万人を超えた。航空機の発着回数は37万3000以上で、毎日85秒に1便が離発着している計算となる。また、シンガポールと世界中の400以上の都市を結ぶ便が就航している。

ランキング

印象的なアメニティと効率性の高さで世界一となったチャンギ空港だが、ソウルの仁川空港や香港空港なども、同様に素晴らしい顧客体験を提供している。また、カナダのバンクーバー国際空港は、北米で最も高評価の空港となった(全体ランキングでは14位)。米コロラド州のデンバー国際空港は、国内1位、北米で2位、世界全体で29位となっている。

米国内ではそのほか、以下の空港がランキングの上位に入った(かっこ内は世界ランキングの順位)

・ジョージ・ブッシュ・インターコンチネンタル空港/テキサス州(48位)
・ハーツフィールド・ジャクソン・アトランタ国際空港/ジョージア州(50位)
・サンフランシスコ国際空港/カリフォルニア州(51位)
・ダラス・フォートワース国際空港/テキサス州(56位)
・シアトル・タコマ国際空港/ワシントン州(62位)
・ジョン・F・ケネディ国際空港/ニューヨーク州(69位)

前回と比べて最も大きく順位を上げたのは、ローマ・フィウミチーノ空港(158位から85位)、最も大幅にランクダウンしたのはバーレーン国際空港(73位から57位)だった。
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編集=木内涼子

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