テクノロジー

2018.04.01 11:00

MITの超リアルな「さかな型ロボット」が海洋科学に与える未来

ロボット研究家、Robert Katzschmann(Photo by Paul Marotta/Getty Images for TechCrunch)

ロボット研究家、Robert Katzschmann(Photo by Paul Marotta/Getty Images for TechCrunch)

水中ロボットや水中ドローンのジャンルには、各社が相次いで新たな製品を投入している。特にここ数年で競争が高まっているのが、見た目が魚の形をした「さかな型ロボット」だ。

そんな中、MITのコンピューター科学・人工知能研究所(CSAIL)が作った、本物そっくりのさかな型ロボット「SoFi」の動画が公開された。この18.5インチ(約47センチ)のシリコン製の魚ロボットは、CSAILのロボット研究家Robert Katzschmannが作ったもので、太平洋で実験が行われている。

ほとんどの水中ロボットは、自然環境に溶け込むことが難しい。ロープやプロペラなどが付いているため見た目が異様で、生物を遠ざけてしまうのだ。

しかし、自律型無人潜水機(AUV)であるSoFiは、本物のさかなにそっくりな動きを模倣できるため、環境に溶け込みつつ任務を遂行できる。水深最大18メートルまで潜ることができ、浮力は「dive plane」と呼ばれるヒレの角度を変えることでコントロールしている。

シリコン製の尾ヒレは本物のさかなとそっくりな動きをする。「我々が知る限り、長時間にわたり自律型で泳ぎ回れる初めての魚ロボットだ」とKatzschmannは言う。

SoFiの一方の目にはカメラと魚眼レンズが搭載されており、ワイドアングルの画像を撮影することができる。最大21メートル離れた場所からリモコンで操作が可能だ。

SoFiを使えば、海中の生き物のリアルな姿を、これまでにない視点から観察できる。Katzschmannによると、「単に観察するだけでなく、SoFiが魚たちに働きかけて、交流させてみるのもありではないかと考えている」という。

編集=上田裕資

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