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I write about Uber, the sharing economy and startups.

Syda Productions / shutterstock.com

人材派遣分野に革新をもたらすアプリとして注目を集めるのが「BlueCrew」だ。Yコンビネータ出身者らが立ち上げたこのアプリには先日、「ティンダー」などを傘下に持つメディアコングロマリットの「IAC」が1400万ドル(約15億円)の資金を注入した。

BlueCrewが仲介するのは倉庫作業や荷物の集配、データ入力といった短期的な派遣労働だ。調査企業「Staffing Industry Analysts」によると、米国の短期派遣労働市場は2018年に1250億ドル(約13兆円)規模に成長すると見込まれている。

この分野には既に様々なサービスが存在するが、BlueCrewのメリットは働き手を米国の「W2(短期的な時給労働者)」カテゴリの労働者として採用するため、医療保険等の福利厚生の対象となる点だ。他の多くのサービスが「1099(独立労働者)」カテゴリで雇用するのと比べると、非常に良い待遇といえる。

「Blue Crewの役割は労働市場の中抜きを無くし、働き手と雇用者らをダイレクトにつなげていくことだ」とBlue CrewのCEOのGino Rooneyは述べた。

このアプリを通じて様々な仕事に従事するIsaac Mangrumが、最初に見つけた仕事はグーグルの社内の引っ越し業務だったという。Mangrumはその日、グーグル社内のカフェテリアで無料の食事をとることもできたという。

「自分のような立場の人間は、使い捨ての労働者とみなされることも多い。でも、BlueCrewで働く場合はコミュニティの一員としての誇りが持てる」とMangrumは話した。

BlueCrewの利用者の75%以上が、柔軟なスケジュールで働けるフルタイムの仕事場を探している。イベントでの配膳のような単発の仕事も掲載されているが、1シーズンに渡る長期の労働者を求める企業からの需要も高いという。

BlueCrewはこれまで10万件を超える仕事を人々に提供しており、平均時給は約16ドル。ユーザーの大半が週に30時間以上をBlueCrewで見つけた職場で働いているという。

雇用者側のメリットとしては、BlueCrewは独自のプロフィールで労働者の評価や履歴を確認できることがあげられる。人材派遣企業「Grove Collaborative」のマネージャー、Ryan Johnsonは「データ入力のスタッフが急に必要になった時でも、BlueCrewのアプリを開くと即座にふさわしいスキルを持つ人材が探せる」と述べた。

BlueCrewを通じて出会った職場で、正式な社員として働くようになる人も多いという。また、フリーとして働き続けるうちにBlueCrew内での評価が高まり、リクルーターに登用される道もあるという。しかし、前述のMangrumの場合は、しばらくはフリーとして様々な職場に関わるつもりだ。

「自分は配膳の仕事が好きなんだ。いつか、料理人を手配する会社を立ち上げたいと思っている。それまでは色んな場所で配膳の仕事をして経験を積んでいきたい」とMangrumは話した。

編集=上田裕資

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