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Monkey Business Images / shutterstock.com

米国では近年、コミュニティーカレッジ(公立の2年制短期大学)の授業料無償化の動きが全国的に広まっている。先週には、メリーランド州ボルティモア郡がこれに加わった。

同郡のケビン・カメネツ郡長は今月19日、「カレッジ・プロミス」と呼ばれるプログラムの導入を議会に提案した。3つのキャンパスで6万2000人が通うボルティモア郡立コミュニティーカレッジの授業料を1学期当たり1876ドル(約20万円)補助するもので、奨学金や学資援助では賄いきれない授業料をカバーする金額となっている。

オバマ政権で教育次官を務めたマーサ・カンターが運営する無料カレッジ支援団体「カレッジ・プロミス・キャンペーン」がまとめたデータによれば、コミュニティーカレッジに通う学生の一部を対象に授業料を免除するプログラムは全米40州に約200存在する。

テネシー州は2014年、こうしたプログラムを全米で初めて導入した。2015年には、当時のオバマ大統領が全国的なコミュニティーカレッジ無償化を呼び掛けたことで、この動きは勢いを得た。昨年は、ニューヨーク、ネバダ、アーカンソー、ハワイ、ロードアイランドの各州で授業料免除プログラムが導入されている。

推進派は、授業料無償化により職業訓練が強化され、奨学金やローンで授業料を賄えない学生も進学しやすくなると主張しているが、一方でボルティモア郡のものを含む多くのプログラムでは、学生の大部分が対象外となっている。

ボルティモア郡のカメネツ郡長が提案したプログラムでは、対象となる学生の数はわずか1100人だ。資格を得るには、過去2年以内に成績平均値(GPA)2.5点以上で高校を卒業し、世帯所得が6万9000ドル(約720万円)以下である必要がある。

ボルティモア郡立コミュニティーカレッジによると、同校では昨年、学生の59%が数学の補修授業を受ける必要があった。また、低所得家庭出身の学生の多くは大学進学を考える前に生活費を稼ぐ必要があり、大学出願時には高校卒業から2年以上経っている場合が多い。

編集=遠藤宗生

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