ケンブリッジ・アナリティカ代表がフォーブスに語っていたこと

Alexander Nix(Joshua Bright for The Washington Post via Getty Images)


約27万人ものユーザーがMyDigitalLifeをダウンロードし、彼らの友人を合わせて5千万人分のデータを同社は手に入れたとされる。フェイスブックによると、これらのユーザーはプライバシー設定をしていなかったという。

同社の手口について、ケンブリッジ・アナリティカの元従業員であるChristopher Wylieが「オブザーバー」と「ニューヨーク・タイムズ」に語っている。「ケンブリッジ・アナリティカは、ユーザーのプロフィールや”いいね!”、プライベートメッセージなどを用いて個人別の人格プロフィールを作成し、人格に応じてパーソナライズしたメッセージを作ることができた」とWylieは述べている。

「ユーザーが影響を受けやすいことや、ある事柄に対する考えを変えるためにはどの程度コミュニケーションを取ればよいかなども把握できた。我々はコンテンツやウェブサイト、ブログを作成し、ターゲットユーザーを誘導して彼らの考えを変えることができた」

Wylieの証言により、ケンブリッジ・アナリティカの手口が白日のもとにさらされることになった。フェイスブックは2015年に同社に対し、取得したユーザーデータを廃棄するよう要請したという。

ケンブリッジ・アナリティカはこれに従い、既にデータを削除したと述べているが、「ニューヨーク・タイムズ」や「Wired」、「ガーディアン/オブザーバー」によると、同社はまだデータを保有しているという。

Nixはインタビューの中で、米国の有権者に「サイコグラフィック・プロファイリング」という手法を用いてターゲティング広告を配信したという報道に反論して次のように述べた。

「大統領選でサイコグラフィックスは大きな役割を果たしておらず、有権者を扇動することにも使っていない」

Nixに英国のEU離脱を支持するキャンペーン、「Leave.Eu」への関与について質問をすると、彼はMacBookを忙しくタイプしながらきっぱりと否定した。

「我々はブレグジットに関わっていないし、報酬も受け取っていない。契約を結んだこともない」

彼は、自身の会社の評価が地に落ちたことについて苦言を呈すときだけ饒舌になり、トランプ陣営の勝利によって彼の業績は評価されるべきだと主張した。

「他の分析会社はトランプ陣営と契約をしたがらなかった。他社は政治家からキックバックを受け取っているが、我々には裕福な支援者がついていたため、その必要はない」

彼の言う支援者とは、ケンブリッジ・アナリティカに資金提供をしているヘッジファンドのCEOでビリオネアのロバート・マーサーのことを指す。

ケンブリッジ・アナリティカの手法が機能しなかったという批判が一部から出ていることについて、Nixはため息をつきながら次のように述べた。
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編集=上田裕資

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