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モバイル業界のアジテーターとイノベーターに関する記事をカバー

Alexander Nix(Joshua Bright for The Washington Post via Getty Images)

「ビッグデータの大きな謎は、因果関係と相関関係の対比にある」とケンブリッジ・アナリティカ代表のAlexander Nixはビルの2階にあるオフィスで窓を見つめながら話した。

外では、渋滞するロンドンの通りを赤い2階建てバスが走っていた。Nixは、アーミーナイフで机を軽く叩きながら話を続けた。

「いいかね、人のことを知れば知るほど、人間関係を築く上でも広告を配信する上でも、より良いコミュニケーションが取れるのだ」

彼は多くの人に関する膨大な情報を持っている。

ケンブリッジ・アナリティカは、2014年に数千万人のフェイスブックユーザーのデータをひそかに収集し、その分析結果をもとに米大統領選でドナルド・トランプに投票するよう有権者に働きかけたとされる。

Nixは、2017年3月にフォーブスが行ったインタビューの中で、データ分析技術を駆使してテッド・クルーズ上院議員の予備選を支援し、その後トランプ陣営を支援するために全米を対象に態度調査を実施したと述べた。彼の説明は終始曖昧で回りくどいものだった。

Nixはスリムな体系で、ダークブルーのベストに黒と金のネクタイという出で立ちだった。彼は太い黒のフレームの眼鏡をかけ、ときおりウェーブのかかったくすんだ金髪を手ぐしでかきあげていた。彼は多忙なエグゼクティブの雰囲気を醸し出し、MacBookをタイプしながら質問に答えた。自己防御をするように「いいかね」と話し始める姿が強く印象に残っている。

ケンブリッジ・アナリティカの本社所在地や親会社のSLCについて質問をすると、彼は「ジャーナリストは憶測で物を言う」とブツブツ文句を言いながら、「SLCは関連会社だ」とぶっきらぼうに答えた。

Nixは世界で最も悪名高いデータ分析会社の社長でありながら、彼のオフィスは予想外に質素だった。壁は汚れ、古いMacBookの蓋にはシミが付いていた。電話に貼られた黄色いメモには、「バノン」、「ロビー活動」と走り書きがしてあった。

机の上の書類は小ぎれいに整理され、ガーデニング雑誌からの手紙や、彼の顧客として最も有名なドナルド・トランプが表紙を飾ったタイム誌が置かれていた。

Nixは、トランプ陣営から報酬を受け取ったことは認めながらも、その額が少なかったと明かし、「彼は優れたビジネスマンだ」と述べた。

先週、同社がトランプ陣営と契約するよりも前に、5千万人ものフェイスブックユーザーの個人データを、ユーザー自身が知らないうちに取得していたことを「オブザーバー」と「ニューヨーク・タイムズ」が明らかにした。

ケンブリッジ・アナリティカは、2014年に「MyDigitalLife」というアプリをフェイスブック上で配信した。その際の触れ込みは、「ケンブリッジ大学の心理学者が設計した学術向けの調査アプリでユーザーの性格判断に役立つ」というものだった。

編集=上田裕資

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