イリス・エープル=リーギ氏はドイツ南西部のフリディゲン生まれの52歳。女性が首相を務めるドイツにあって、しかもファッション業界とくれば女性CEOは珍しくないのではなかろうか。
「残念ながらドイツでも男女の雇用はイーブンとは言えないのです。でもエスカーダは比較的女性の雇用率が高く、ボードメンバーでも男女比率が50:50になっています。女性ファッション業界にいる身としては、お客様の気持ちがわかるのは大切なポイントですが、実際のところジェンダーは仕事にそんなに影響しないのではと思っています」
CEOに就任して1年、月曜から日曜まで、そして朝から晩までエスカーダのファッションに身を包み続けており、この日もツイードのセットアップの足元にはエスカーダ・スポートの白スニーカーを合わせて軽快ないでたちだった。
各国の市場をリサーチする多忙な日々だが、リラックスの方法は? 「主人と休みを合わせてくつろいだり、旅をすること」と言うが、そのご主人はなんと同じファッション業界でやはりCEOを務める立場なのだそうだ。「仕事の話はあまりしませんが、夫婦円満の秘訣は互いの話をよく聞くことかしら」
2018年のエスカーダはバッグや靴などの小物にも力を入れてさらに飛躍する1年にしたい、と意欲的に語った。
IRIS EPPLE-RIGHI◎1965年、ドイツ南西部のフリディゲン生まれ。Eberhard Karls大学でMBAを取得後、トミー・ヒルフィガ-、カルバン・クラインなどで経験を積み、2016年9月よりエスカーダCEOに就任。創業40周年を迎えたエスカーダをどのようにリードしていくのか今後の手腕に注目が集まる。