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rederic Legrand - COMEO / Shutterstock.com

フランスで改革が可能だと思う人はほとんどいなかった。それでもエマニュエル・マクロン仏大統領は、前任者の多くが失敗した分野で成功を収めたようだ。

マクロンは、長年にわたりフランスの成長と雇用を妨げてきた税制と規制の迷宮から、フランスを解放する取り組みを始めた。もちろん、これは始まりにすぎず、フランス経済が柔軟性と勢いを取り戻すにはさらなる努力が必要だ。とはいえこれは非常に良いスタートであり、これまで存在しなかった楽観をある程度生むものだ。

マクロンは過去わずか数か月の間に、フランスが長年投資に課していた重い税金を緩和した。元々の法律では、投資収入・利益に重税が課せられるだけでなく、全ての動産を対象に含む特別富裕税が設定されていた。マクロンは、こうした制限により貯蓄や投資が阻まれているという正論を展開。さらに大きな問題だったのは、これが起業活動の障害となっていたことだった。政府は不動産以外の特別富裕税を廃止し、経済の制約となっていた投資収入・利益にかかる税率を一律30%に変更した。

またマクロンは、経済の柔軟性を高めるため、フランスの全国労働組合が労働規則やスケジュールに長年及ぼしてきた支配力を弱めることに成功。中小企業は、全国労働組合と交渉せずに直接従業員と合意に至ることが可能になった。ビジネスの柔軟性をさらに向上させるため、マクロンは賃金や雇用の団体交渉を国レベルから業界、さらには企業レベルへと移行させた。

彼の特に顕著な功績は、正当な理由があっても企業が労働者を解雇・レイオフ(一時解雇)できないようにしていた規制を撤廃したことだ。この旧規則のせいで、企業はフルタイム社員の雇用に非常に消極的となり、短期雇用契約で働く国民が主に若者の間で増えていた。その結果、働く意欲がそがれるだけでなく、雇用主と労働者の両方が訓練を積めない状況が生じていたのだ。より自由な雇用と解雇の仕組みの採用により、破壊的な悪循環は消えていくはずだ。

マクロン大統領の取り組みに賛成の一票を投じるかのごとく、フランス経済には明るい兆しが見えている。欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)は先日、昨年の仏経済成長率は1.9%だったと発表。素晴らしい数字とは言えないものの、過去6年で最高の水準だ。また同局によると、フランスで昨年行われた民間投資の前年比増加率は例年を大きく超え、実質4.3%という高水準に達した。

経済状況改善の主な原動力となったのは、必要とされてきた税制改革・法改正の実現に対する企業の期待感が高まったことだった。新たな法律が施行されたのは2017年後半になってからのことだが、経済の分野では実際の法改正より期待感の方が、少なくとも初期段階では早急に効果を発揮することが多い。改革が実行された今、その効果は自然に上がっていくはずだ。

編集=遠藤宗生

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