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I write about the intersection of retail and consumer trends.

ARTYOORAN /shutterstock.com

北欧テイストの家具を手ごろな価格で提供するイケアの特徴は、延々と続く迷路のような店内や、購入した家具を自分で組み立てなければならないという“不便さ”だ。イケアのファンたちはこれまで長い間、そうした特徴に耐えてきた。

米イケアは国内の一部店舗で開始した家具の組み立て請負サービスを今後、拡大していく計画だ。その他の小売各社と同様、サービスの多層化によって消費者を実店舗に呼び込み、オンライン販売では不可能なサービスの提供を目指す。

イケアは昨年9月に買収した雑用の代行請負サービス、タスクラビットを通じて、顧客の自宅での家具の組み立てを行っている。現在のところはサンフランシスコとニューヨークにある6店舗の顧客が対象だが、年末までにロサンゼルスとマイアミ、ヒューストン、ボストン、ワシントンD.C.その他の店舗でも、同サービスを開始する。

料金は家具の種類ごとに一律としており、最も安いもので36ドル(約3800円)。ただし、キッチンやバスルームの設備など一部商品は対象外だ。

イケアが同サービスを開始した背景には、アマゾンのほか家具のオンライン販売が専門のウェイフェアなどが、市場シェアを拡大していることがあると見られる。調査会社イーマーケターのデータによれば、米国の家具・インテリアのオンライン販売の売上高は昨年、前年同期比20.5%増の426億ドルに上った。消費者は、高額の商品をオンラインで購入することに抵抗感を持たなくなってきている。

ニーズの変化と新たなサービスモデルの登場

小売各社は店内での顧客経験をより豊かなものにするため、さまざまなサービスを導入している。例えば、アメリカン・イーグル・アウトフィッターズは顧客に大学生が多いマンハッタンの店舗に無料で使用可能な洗濯機を設置。ファストファッションのザラは、世界各地の合計120店舗に拡張現実(AR)を活用したディスプレイを導入している。スマートフォンを近づけると商品に関する情報を閲覧できるほか、支払いも済ませることができる。

イケアとタスクラビットの提携によるサービスは、これまで存在しながら満たされてこなかった家具の組み立てという消費者ニーズへの対応を目指すものだ。家電量販店のベストバイもまた、これと類似したニーズである電子機器についてのコンサルタント・サービスを試験的に導入している。

ベストバイでは現在、375人の従業員が顧客の自宅を訪問、無料で相談に乗るとともに、お勧め商品を紹介するサービスを行っている。同プログラムは業績にも大きく貢献している模様だ。調査会社テルセイ・アドバイザリー・グループによると、顧客の自宅でコンサルタントが相談に乗った場合の平均注文額は、店舗内で提供する同サービスの売上高を30%上回っている。

調査会社ユーロモニターの報告書によれば、消費者の間では、商品購入後のケアを希望する人が増加している。報告書は、「顧客の満足度を高め、顧客として維持するために、小売各社はより多くの製品とサービスを購入後サポートの対象としている」と指摘する。「これは、“便利さ”の定義が顧客のニーズを満たすことから、ニーズを予測することへと変化してきていることに関連している」という。

編集=木内涼子

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