ブルームバーグの報道によると、アップルはカリフォルニアの自社工場において、自社製のスクリーンの開発を進めているという。新型スクリーンは消費電力を減らし、デバイスのバッテリーの持続時間を大幅に伸ばせるという。これは消費者にとっては大変喜ばしいことだ。
iPhone Xにはサムスン製のOLEDスクリーンが採用されているが、アップルはスクリーン製造を外部メーカーにこのまま依存することを、好ましく思っていない。2014年にアップルは、電力消費の少ないLEDを製造する台湾企業「LuxVue」を買収していた。
自社でスクリーンを製造することにより、アップルは思い通りのプロダクトを、外部企業に知られぬうちに社内で製造可能になる。この動きが他のスクリーンメーカーの脅威となることは、今回の報道を受けて、シャープやサムスンの株価が下落したことでも明らかだ。
アップルが製造を行うスクリーンは「MicroLED」と呼ばれるテクノロジーを採用するとみられている。サムスンは今年のCESでMicroLEDディスプレイを搭載した初のTV製品を公開した。電力消費の少ないMicroLEDをモバイルデバイスに投入することは、非常に理にかなったことといえる。
MicroLEDが最初に採用されるアップルの製品は、アップルウォッチになるとみられている。最初に製作するスクリーンは、サイズが小さなもののほうが現実的だ。しかも、アップルウォッチの電池寿命を伸ばすことは、消費者に大きくアピールできる。
また、アップルが最初にOLEDスクリーンを搭載したデバイスも、2015年春のアップルウォッチだった。同社は昨年のPhone Xでようやく、iPhoneにOLEDを搭載したのだ。
ブルームバーグによると、新型ディスプレイの開発はカリフォルニア州サンタクララの施設内で進められているというが、これは大規模な生産にふさわしい拠点とは思えない。今年の秋に発表されるアップルウォッチに、このディスプレイが搭載される見込みは少ない。
しかし、アップルウォッチはiPhoneと比べると、ずっと製造台数が少ないことから考えても、自前のディスプレイを採用するには理想的な製品といえる。
ブルームバーグは同社が自前のスクリーンをiPhoneに採用するまでには、3年から5年を要すると述べている。しかし、恐らく2年もあればMicroLEDを搭載したアップルウォッチが市場に出回るのではないだろうか。