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テキサス州オースティンにて3月9日〜17日、「サウス・バイ・サウスウエスト(SXSW)映画祭」が開催され、業界ではマイノリティである女性の映画監督にスポットライトが当てられた。

スティーヴン・スピルバーグ監督の新作「レディ・プレイヤー1」のサプライズ上映が華々しく報じられた今年の同映画祭だが、全期間を通して注目を浴びたのは女性の作り手たちだった。上映された長編劇映画の3分の1が女性監督による作品であり、最重要部門のコンペティション部門にいたっては10本中8本が、女性が単独あるいは共同で監督した作品だった。

「ピッチ・パーフェクト」シリーズの脚本家として知られるケイ・キャノンの初監督作品「Blockers」(原題)は、高校生の娘を持つ母親1人と父親2人が主人公のR指定コメディ。プロムの夜、娘たちの処女喪失計画を阻止しようと奔走する姿を描き、会場のパラマウントシアターに笑いの渦を巻き起こした。

審査員特別賞の脚本賞を受賞した「Jinn」(原題)のニジラ・ムーミンも、これがデビュー作の新人監督だ。母親のイスラム教入信をきっかけに17歳の少女のアイデンティティが揺らぐ様子を、実体験を交えて描いた。

一方、ジュリア・ハート監督の長編第2作「Fast Color」(原題)は、超人的パワーを持つゆえに追われる身となった孤独な黒人女性が家族の問題と向き合う過程を通して、人種やドラッグの問題に踏み込み、高い評価を受けた。

ベテラン監督も存在感を見せた。ステイシー・コクランは、マンハッタンの名門女子校で働く若い女性と犯罪歴のある元恋人の波乱に満ちた関係を描いた「Write When You Get Work」(原題)を発表。同作はウィノナ・ライダー主演の前作「BOYS」から18年ぶりの新作だ。映画祭に来場したコクランは、長いブランクについて「私が女性であることがおおいに関係している。3人の娘を育てていた。映画作りをやめたというより、続ける余裕がなかった」と語った。

子育てと映画製作の両立の難しさ

女性の映画監督のキャリアにブランクが空くことは珍しくない。2017年に「ワンダーウーマン」を大ヒットさせたパティ・ジェンキンスも、前作「モンスター」は2003年の作品だった。ジェンキンスは昨年、フォーブスの女性サミットにて「息子が生まれてから、毎日映画の仕事をすることはできないと感じ、テレビドラマのパイロット制作に切り替えた」と語っている。

南カリフォルニア大学アネンバーグ・スクールの「Media, Diversity, & Social Change Initiative」が2007〜2016年の興行成績上位1000本の映画(各年100本)を分析した調査によると、男性監督の45%がこの10年間に2本以上撮っているのに対し、女性監督は1本しか撮っていない者が80%を占める。

長いブランクを経て第一線に戻ることは容易ではない。テレンス・マリックは1998年の「シン・レッド・ライン」で「天国の日々」以来20年ぶりに復帰し、その後も次々に作品を発表しているが、女性の監督でそのようなキャリアを持つ人は稀だ。「もし私が男性なら、次のチャンスが得られないかもしれないという不安を感じることはなかったかもしれない」とコクランは打ち明ける。

編集=海田恭子

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