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2018.03.23

【4/25開催】なぜ、日本はデザイン後進国なのか?いまデンマークから学ぶべきこと

デンマークのビジネスデザインスクール「KAOSPILOT(カオスパイロット)」

ビジネスパーソンにこそ、クリエイティビティが必要だ──

イノベーションの必要性が叫ばれる昨今、クリエイティビティを高める方法やデザインシンキングといった考え方に注目が集まっている。だが、日本は世界の中で最も、企業がクリエイティビティを導入することに肯定的な人の割合が低かったという調査結果も。クリエイティビティが必要だとわかっていながら、それをビジネスに上手く取り入れることができていないのが日本の現状だ。

「デザイン」とは成果物ではない。プロセスを含めたものだ

一方で、国全体をあげてビジネスでのデザイン活用が進んでいるのがデンマークだ。

「デンマークのデザインというと北欧家具が有名ですが、街や公共機関などあらゆる場所にデザインが根づいています。デザインはデンマークのDNAであり、私たちには『デザイン・ソサエティ』としての自負があるんです」

そう話すのは、国立機関「デンマーク・デザイン・センター(DDC)」でCEOを務めるクリスチャン・ベイソン。DDCは、まさに「デザイン・ソサエティ」の根幹を支える組織なのだ。


国立機関「デンマーク・デザイン・センター(DDC)」(写真は5月完成予定の新センター)

デザインを導入して企業製品をブラッシュアップする「Design Journey」や、管理職にデザインセンスを教えるプログラム「デザインアカデミー」を実施。また、デザイナーにビジネススキルの教育を行うなど、様々な形でビジネスとデザインの融合を実践している。例えば、古いスピーカーをワイヤレスに変える「BeoCreate」は、DDCのプログラムから生まれたビジネスモデルの一つ。デンマークでは13%の企業がビジネスにデザインを取り入れたことで、好業績を挙げたという。

「デザインとは成果物ではなく、それを行うためのプロセスも含めたものなんだ」

大切なのは、あなたが『あなた自身』であること

生涯教育が普及するデンマークでは、ビジネススクールも大きな役割を果たしている。「チェンジメーカー(革新者)を輩出する学校」として近年、世界中から注目されているのがビジネスデザインスクール「KAOSPILOT(カオスパイロット)」。MBAのような学位の発行がないにも関わらず、900人に上る卒業生のうち4割が起業し、『WIRED』UK版が「ヨーロッパで最もホットなスタートアップ」のひとつに選んだ排卵期予測アプリ「Clue」を手がけるイダ・ティンなどを輩出している。

「興味深い人間であることよりも、何事にも興味を持てる人間であることが大事なんです」

2005年から学長を務めるクリスター・ヴィンダルリッツシリウスは、チェンジメーカーに必要な要素をこう語る。だからカオスパイロットで行われるのは、通常のビジネススクールのような経営知識の詰め込みではない。そこで行われるのは、チームの中でクリエイティビティを発揮したり、海外の都市に滞在して異なる文化圏の人とプロジェクトを進めたりする訓練だ。あらゆる場所に積極的に飛び込み、リーダーシップを発揮する能力が培われることになる。



また、カオスパイロットのスタッフがよく口にするのが、「It Starts with you(あなたから始まる)」というフレーズだ。プログラム受講者はあらゆる活動を通して「自分が何者であり、何をやりたいのか」を考えることが求められる。受講後の感想で多く聞かれるのも、「何よりも自分を掘り下げる機会になった」というものだ。デザインスクールで自分について学ぶ理由を、クリスターはこう説明する。

「私たちは、生徒の頭に“クリエイティビティ”を注入するわけではありません。常識に囚われずに、自分の気持ちに素直に向き合うことができれば、人は自然と創造的になれるものです」

デザインシンキングを高めるだけでなく、それをビジネスに活かす導線までが用意されているデンマーク。ここから生まれたビジネスが、これから世界を大きく変えるのかもしれない。


Forbes JAPANが岡村製作所と共同で3月28日(水)に発刊する『WORK MILL with Forbes JAPAN Vol.02』では、デンマークを働き方・教育・ライフスタイルの3つの観点から特集。

さらに4月25日(月)にはこれを記念したイベントを開催。“基調講演”にはカオスパイロットのプログラムディレクターであるデイビッド・ストークホルムが登壇し、これからの働き方に必要な「クリエイティブリーダーシップ」を語る。


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編集=Forbes JAPAN編集部 写真=キム・ホルターマンド

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