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I write about the 1% who sit on top of the world.

(Photo by Justin Sullivan/Getty Images)

2016年の米大統領選挙で、トランプ陣営が雇った調査企業「ケンブリッジ・アナリティカ」が、5000万名のフェイスブックユーザーの個人情報を不正収集していたとの報道が流れた。

この報せを受け、3月19日午後1時(米東部標準時)時点で、フェイスブックの株価は9%近く急落。370億ドル(約3.9兆円)にのぼる時価総額が失われた。株価の下落により、フェイスブックCEOのマーク・ザッカーバーグの資産額は約51億ドル(約5400億円)の減少となった。

ザッカーバーグはフェイスブックの発行株式の16%を保有しており、フォーブスのリアルタイム・ビリオネア・ランキングによると、その資産額は695億ドルと試算されている。彼は世界の長者ランキングで5位にランクインしていたが、今回の急落により7位に後退。ZARAの親会社インディテックス創業者で会長のアマンシオ・オルテガや、メキシコの富豪のカルロス・スリム・ヘルに次ぐポジションに順位を下げた (3月19日現在のデータ)。

フェイスブックに関してはこのところ、悪い報せが相次いでいる。昨年から同社はフェイクニュースの発信源として批判を浴び、イギリスや欧州諸国の世論の混乱を招いた罪を問われた。

今回のケンブリッジ・アナリティカの件はまず3月17日にニューヨーク・タイムズが報道した。翌18日には、米英の議員たちからフェイスブックに対し、説明を求める声が高まった。

英紙「タイムズ」によると、フェイスブックの次席法務顧問のPaul Grewalは「問題となったデータが既に消去されていることを、全力をあげて確認する。また、データの保護のため適切な対処を行う」と発言したという。ケンブリッジ・アナリティカは既に、フェイスブックへのアクセス権を剥奪されている。

「データドリブンな選挙」にFBを活用か

2016年にトランプが米大統領選で勝利を収めて以来、ケンブリッジ・アナリティカの名は盛んに報じられてきた。同社は投票者らに政治的メッセージを送り、投票行動に影響を与えたとされている。

同社のCEOのAlexander Nixは昨年11月、ポルトガルのリスボンで開催された「Web Summit」で次のように述べていた。「(2016年の大統領選挙は)初のデータドリブンな大統領選だった。政策の訴求よりも、コミュニケーション方法の変更がカギを握った」


さらにNixはこう付け加えていた。「ロシアが大統領選をハイジャックしたという考えは実に馬鹿げている。ロシアが我々に匹敵するテクノロジーと知見をたった数か月で構築できるはずがない」

フェイスブックの月間アクティブユーザー数(MAU)は現在20億人を突破し、2017年の売上は407億ドル(約4.3兆円)にまで膨らんでいる。統計プラットフォーム「Statista」によると、グーグルとフェイスブックの2社のオンライン広告売上の合計は、世界シェアの60%以上を占めている。

フェイスブックの覇権が比類なきものになる中で、当局の規制や介入を求める声も高まっていた。今回のスキャンダルの噴出により、その流れはさらに強まっていきそうだ。

編集=上田裕資

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