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I cover issues and trends in the food and agriculture sectors.

       

Julie Clopper / Shutterstock.com

あなたは生活にどの程度、安心感を持っているだろうか。個人のセキュリティはこのところ、私たちにとって最も関心の高い問題になっている。

米国心理学会が国民の感じているストレスについて毎年発表している調査報告の最新版では、63%以上の米国人が犯罪に対しストレスを感じていることが分かっている(米国では今年初め以降、暴力的なデモや銃乱射事件が発生しているが、この割合はそれ以前に行われた調査の結果だ)。

こうした状況の一方、アマゾン・ドット・コムとウォルマートは注文者の留守中に自宅の中まで商品を届ける新たな宅配サービスを開始している。

アマゾン・キー」は現在、米国内の37都市で利用が可能。監視用のカメラとスマートロックが含まれる加入料は、プライム会員で250ドル(約2万6500円)だ。アマゾンは同サービスにより、配送中の商品が盗難に遭う問題を大幅に解消することができると見込んでいる。

ウォルマートのサービスは、注文した食料品を同社の従業員が選び、注文者の自宅の中まで届けるというもの(冷蔵庫や冷凍庫に入れておいてくれる)。配達員は、一度だけ使えるパスコードでキーレスロックを解除し、家の中に入ることができる。

利用希望者は3割程度

保険商品の比較サイト、インシュアランスクォーツ(InsuranceQuotes)が18~74歳(平均年齢35歳)の男女合わせて1013人を対象に実施した調査によると、アマゾンのプライム会員の23.4%が、注文した商品の盗難被害を経験しているという。

回答者のうち、アマゾン・キーのサービスを利用したいと答えた人は約31%だった。ただ、昨年11月に調査会社トルーナ(Toluna)が発表した同様の調査の結果と比べ、2倍に増加している。

一方、米国心理学会の報告書では男女ともに80%程度の人たちが、アマゾン・キーを利用した場合の配送担当者による盗難に不安を感じると答えている。フリーランスで働く人が増える現在、顧客の安心感を高めるためには、従業員と勤務先の精神的なつながりを強めることが大きな役割を果たすことは間違いない。また、アマゾン・キーのサービスに携わる配送員についてアマゾンはウェブサイト上で、十分な身元調査と運転経歴に関する調査を行い、厳選した人材だと説明している。

アマゾンは顧客の留守中に提供できるサービスを食品の配送にとどまらず、メリー・メイズ(Merry Maids、掃除サービス)やローバー(Rover、ペットの散歩・世話サービス)などを通じた1200人以上のプロによる総合的なサービスにまで拡大したい考えだ。

問題は「安心感」の実現

今後は見知らぬ人が私たちの自宅に入り、冷蔵庫に牛乳などを入れておいてくれることが普通になるのだろうか? 生鮮食料品のオンライン販売と配送サービスを何年も前に開始していたホームグローサー(HomeGrocer)とウェブバン(Webvan)は、顧客の自宅ガレージ内に商品を届けるシステムを導入していた。だが、他人がガレージに入ることにためらいを感じる人が多かったことなど、さまざまな理由によりそのビジネスはうまくいかなかった。

現在では当時に比べ、デリバリーに頼る消費者は明らかに増加している。さらに、アマゾン・キーのサービスでは、顧客の自宅のドアがアンロックされると設置されているカメラが起動し、撮影された動画が「アマゾン・クラウド・カム(Amazon Cloud Cam)」を通じて顧客の携帯電話に配信されるようになっている。

ただ、クラウドを利用することは、ハッカーの被害に遭う可能性が生じるということでもある。米調査機関ピュー・リサーチ・センターの調査では、回答者の64%が大規模な情報漏えいの被害の影響を受けていることが明らかになっている。多くの人たちにとってはこの点も、懸念事項の一つだ。

編集=木内涼子

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