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2018.03.20 07:30

投資家がテスラの今後を危ぶむ4つの理由

Sundry Photography / Shutterstock.com

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電気自動車(EV)メーカー、米テスラの株価は新型EVセダン「モデル3」の発表以降、12%低下した。株主たちは、今その所有する同社株を売るべきだろうか? テスラに関する最も重要な問題は、同社の債務返済能力が低下していることだ。米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によれば、テスラは「困窮」している。
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企業の倒産危険度を示す「Zスコア」(株価、運転資本、内部留保、その他から算出)によると、テスラのスコアは1.26で、2014年以降、最も低くなっている。投資家の多くは、このスコアが1.8未満の企業について、「倒産の可能性を否定できない」と考える。1.0以下になれば、2年以内に倒産する可能性があると判断される。

テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)はこれまで、まるでサーカスの客引きのように聴衆を引きつける能力を発揮。スーパーヒーローのような自らの力に対する信頼を維持させることに成功してきた。だが、それでも同社の株価はすでにピークを越えたと考えられる。その理由は、以下のとおりだ。

1. 生産目標が達成不可能
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もちろん、モデル3の人気は高い。だが、テスラはその需要を満たすのに十分な台数を生産することができずにいる。すでに、週5000台の生産を目指すとした目標達成の時期を先送りしている。

いずれも匿名を希望したテスラの従業員と元従業員はそれぞれ米CNBCテレビの取材に対し、テスラの部品と製品の不良率は「驚くほど高い」と語っている。これは、モデル3の生産目標達成に向けた同社の能力を大きく脅かすものだ。

2. 保有現金が「燃焼中」

テスラのキャッシュバーンレート(現金燃焼率)は大幅に高まっており、車の販売によって十分な現金を得ることができなければ、外部からの資金調達に頼るほかなくなる。昨年は1四半期の現金支出が10億ドル(約1057億円)を超えたこともあり、保有現金は12月までに34億ドルとなっていた。

スイスの銀行大手UBSのアナリストは、テスラがモデル3を週5000台生産することができれば、短期間に約10億ドルの運転資本を手にすることができると推計している。だが、現在の状況が続くと仮定すれば、年内にも保有現金が不足することになると見込まれる。

3. 幹部が流出

組織から多数の有能な幹部が離れていくということは、トップに問題があることを示唆している。これは、政権においてのみ起こることではない。ビジネス界でも同様だ。企業が財務担当の幹部を急速に失っているという場合、原因は当人が帳簿の不正を行っていたか、CEOから規範に反する何らかの行為を要求されたかのどちらかと考えることができるだろう。

テスラでは昨年、最高財務責任者(CFO)が辞任。3月上旬には最高会計責任者が、その翌週にも財務部門の幹部2人が辞任している。

4. 投資家の信頼感が下落

テスラに対する信頼感は、徐々に低下していると考えられる。モデル3の週5000台の生産が達成できていないことを同社が改めて発表すれば、投資家の信頼は突然、失われるかもしれない(ブルームバーグの3月16日の報道によれば、テスラは2月に週936台のモデル3を生産していたと見られるが、生産ペースは3月に入り、鈍化しているもようだ)。

テスラ株の値下がりを予見していた米投資会社ワイス・ハリントン・アンド・アソシエーツはWSJに対し、「大株主の一部はしびれを切らしている」と述べている。株主のうち保有比率の高い10社中3社が最近、同社株の一部を売却したという。また、マスクに次いで保有比率が2番目に高い米大手投資会社のフィデリティ・インベストメンツは昨年、保有していたうちの33%近くを手放している。

編集=木内涼子

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