リクルーターの助言、「背いて不採用」でもプラスな理由

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自分が望んでいた仕事に就けなかったときでも、求職者に非があるとは限らない。予想や希望に反した展開になった場合は、一歩一歩それまでの経緯をたどり、会話を思い出し、そうした状況に至った理由や流れを理解すれば、必ず多くのことが学べる。

あなたが報酬についてマークに尋ねたことは間違いではない。その時点で、あなたはすでに面接を2回受け、時間と労力を投資している。面接準備にも、多くの時間を費やしていたに違いない。こうした時間は全て無給だ。

あなたは、マークとの1次面接前に大体の報酬レベルを理解しておくべきだった。また、あなたとマークの両者が不毛な面接に時間を無駄にしないように手配するのがサラの役割だったはずだ。次回からは、自分が必要とする報酬を支払う意思や能力がその会社にあるかどうかを確認するまで、第三者のリクルーターが設定した採用面接には絶対に出向かないこと。

リクルーターが「報酬については私が対応しますので、面接官には聞かないように」と言うのは全く悪いことではない。ただしその場合、リクルーターはその言葉通りに交渉を実行すべきだ。マークから電話があったとき、報酬について尋ねたあなたが悪いとは、私は思わない。少しでも自尊心がある人ならば、同じ質問をしたはずだ。

誰もがそうであるように、サラも自分の技術を磨くため修行中だ。しかし、報酬交渉ができていないサラには「マークと報酬について話さないように」とあなたを止める権利はなかった。

あなたが思い切って、簡潔で至極まともな質問をぶつけた結果、マークが怖気づいてあなたを不採用にしたのは良いことだ。マークの下で働いていれば、最悪の結果となっていただろう。今回は危うく難を逃れたのだ。

私はメンターのデーブ・トムソン博士から、繰り返し次のように言われた。「恐怖心に注目しなさい。人が怖がっていることは何かを観察すれば、組織とリーダーシップについて必要なことが全て分かる」。面接プロセスの後期であるにもかかわらず、恐怖心でいっぱいの弱虫なマークは、報酬についての質問に恐れをなして逃げてしまった。

あなたには、報酬などのビジネスの基本事項をビジネス会議で議論できる、成熟したプロフェッショナルな上司が必要だ。採用面接は、ビジネス会議の一種だと明言できる。

時間を取ってくれたサラには感謝しつつ、彼女だけに就職活動を任せないこと。世の中には数多くのリクルーターが存在する。時間をかけ、あなたの経験や判断をサラよりも尊重してくれるリクルーターを探そう。

自分の直感を信じること。そうすれば、決して間違うことはない。

翻訳・編集=出田静

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