その他のバブルとの比較
ホフリヒターはビットコインの値動きを、1975~1985年の石油価格、1975~1982年の金価格、1636~1637年のチューリップなど、14の資産価値の変動とビットコインの値動きをグラフで比較している。それぞれの資産価値がピークに達した前後の5年間の価格の推移を比較できるこのグラフを見ると、ビットコイン価格がその他の資産と比べ、どれだけ短期間でどれだけ高値に達したかが分かる。これは、ビットコイン・バブルがその他のどの資産よりもハイリスクであることを意味する。
内在する価値が「ゼロ」
ホフリヒターは、ビットコインには本質的な価値がなく、収入を生むものではないと考えている。これは、ビットコインに関する米著名投資家ウォーレン・バフェットの考え方に非常に近い。
また、ホフリヒターはビットコインを通貨でも価値を保存できるものでもないと考えている。ボラティリティーと取引コストの高さが、どちらの分類にも適合しないものにしているというのだ。さらに、ビットコイン価格の暴落が株式・債券市場に大きな影響を及ぼすとは考えていない。「市場規模」が小さいためだ(この点については、筆者も同感だ)。
ブロックチェーンは別
一方でホフリヒターは、仮想通貨取引を可能にしているブロックチェーン技術については、投資家に大きな利益をもたらす可能性があるとの見方を示している。同技術の導入によって、トランザクションの承認にかかるコストが大幅に削減できるというメリットがあるためだ。