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2018.03.19

独アリアンツの「ビットコインはバブル」の根拠 一部に疑問点も

HikoPhotography

独保険大手アリアンツの運用部門、アリアンツ・グローバル・インベスターズのグローバル経済・戦略責任者シュテファン・ホフリヒターは先ごろ、「資産価格バブルの定義」に関する考えを明らかにした。

ホフリヒターによれば、ビットコインには「通貨としても資産クラスとしても、致命的とも言える欠陥がある」。そのため、問題はビットコイン・バブルがはじけるかどうかではなく、「いつはじけるか」だという。

「資産バブル」の基準

筆者はビットコインが、ホフリヒターが示した資産バブルの基準の全てに該当するとは思わない。だが、以下については確かに当てはまると言えるだろう。

・「新時代」の資産
過去にも「これは今までとは違う」という言葉が、多くの資産の過大評価とその後の反発を引き起こしてきた。現時点では、仮想通貨の他に「新時代」「最先端」と言えるものはないだろう。だが、仮想通貨を巡る今の状況は、2000~2001年のITバブル期によく似ている。当時、「インターネット」という言葉を社名に付ければ、あるいはそれに関連さえしていれば、事業内容に関わることなく、株価は上昇するように思われた。

・取引量の「急増」
ビットコインの取引量は、過去5年の間におよそ5倍に増加した。筆者の考えでは、これは資産価格の急騰と言い換えることもできる。バブルが発生するのは大抵、価格が急騰している(そして、後になって振り返ってみた場合にしかそれを把握できない)ときだろう。価格の上昇傾向は投資家にさらなる投資を促し、「グレーターフール(もっと愚かな者はいる)理論」によって説明される状況が起きる。そうなれば、売りが増えれば残念ながら、価格は急落することになる。

ホフリヒターのバブルの判断基準の中には、資産価値の「過大評価」も挙げられている。だが、筆者はビットコインがこれに該当すると考えることに疑問を感じる。過大評価されていると見ること自体にはうなずけるが、ビットコインは何をベンチマークに価値を評価するかが明確ではない。

収入も利益も生み出さないビットコインの価値を、従来の方法で評価することはできないはずだ。ビットコインを発行するためのコストも、どこでマイニングが行われるかによって大幅に異なるだろう。価値が「過大評価されている」と言うのは難しい。
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編集=木内涼子

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