元BMW社員が設立の「EV界のアップル」 1000億円調達に成功

(Photo by Bryan Mitchell/Getty Images)


EVelozcityは乗用車や配達用の小型バン、ライドシェア向け車両の3モデルを開発中だ。同社は、コストを抑えると同時に製造を簡略化するため、「スケートボード」と呼ばれる共通のフロアパンを採用している。これは、10年以上前から業界で言われてきたコンセプトだ。

「自動車の下部と上部、ヘッド上部を同時に作り、ラインの最後で組み立てることで、工程に掛かる時間を30%削減することができる」とKrauseは言う。

現在、EVelozcityには100名のエンジニアと開発者が在籍しており、年末までに少なくとも300名に増員する予定だという。

同社は資金調達に成功したが、まだ大きな問題が残っている。ファラデー・フューチャーが、知的財産を盗用された疑いがあるとして、1月にKrauseとKranzを相手取り訴訟を起こしたのだ。ファラデーについては破産寸前との噂もあったが、年内に数モデルをリリースする予定だという。Krauseは詳細を語らなかったが、EVelozcityは仲裁による解決を模索しているようだ。

テスラは何度も倒産寸前まで追い込まれながら立ち直った。黒字化はまだ達成しておらず、生産目標も未達だが、同社の時価総額は580億ドル(約6.1兆円)に達し、熱狂的なファンを多く抱える。競争が熾烈な自動車業界においてEVelozcityがテスラのような成功を手にするかはまだ不明だが、同社が優秀なチームと潤沢な資金を持っていることは確かだ。

編集=上田裕資

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