米ヘデラが開発の分散型台帳、ブロックチェーンを超えるか?

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セキュリティの「ゴールドスタンダード」?

ヘデラと同様にDAGを採用するその他の仮想通貨プラットフォームには、「バイトボール(Byteball)」や「IOTA」などがある。ただ、IOTAについては昨年、研究者らがセキュリティに関する問題を発見。IOTA側との論争が続いている。

ハーモンによれば、ヘデラは取引の承認において、IOTAとは異なるアプローチを取っている。そのため、仮に利用者の中に悪意を持って攻撃を仕掛ける者がいても、ネットワークは正常に機能するという。「ビザンチン将軍問題」を克服し、セキュリティに関する“ゴールドスタンダード(究極の判断基準)”を確立したというのだ。

ただし、コーネルのエミン・ガン・シラー准教授は、ヘデラのプラットフォームがどれだけ信頼に足るものであるのか、まだ確証はないと指摘する。ヘデラのアルゴリズムが実際に使用され、実戦で試されてみるまでは、本当にゴールドスタンダードとなり得るものかどうかは分からない。判断がつくまでには、まだ時間がかかるだろう。

ヘデラが持つもう一つのユニークな側面は、企業の監視下に置かれるという点だ。ハーモンはテクノロジーから法律まで、幅広い業種に携わる38社を招き、スワールズも加わるヘデラの「グローバル・ガバニング・カウンシル」を創設。各社がヘデラの戦略的決定に平等に関与する。

このカウンシル(評議会)に参加する企業名は明らかにされていないが、「世界的な優良企業」だという。ハーモンは、カウンシルがヘデラに正当性を与え、主流化を支援していくことになるとの考えを示している。

編集=木内涼子

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