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自律性は、日本市場を預かるレーンにも求められる。アクサは世界64の国と地域、顧客数1億700万人の巨大グループだが、「私たちは大きなクジラではなく、小さな魚の群れ。小さな頭で大きな図体を動かすのではなく、一匹一匹が状況に応じて、動かなくてはいけません」

社長就任当初は日本の消費者のニーズの細かさに驚き、「キットカットのフレーバーは、どの国でも2種類くらい。なのに、日本は100種類以上あった」と笑う。

では、その細かなニーズにどう対応するか。アクサ生命は2000年に日本団体生命と経営統合した。日本団体生命は団体保険や医療保険を地域に根付かせた福利厚生のパイオニア。そのリソースを引き継ぎ、全国の商工会議所511拠点を5000名の営業社員でカバー。中小企業や自営業者の強固な顧客基盤を活用すれば、多様なニーズを吸い上げることは難しくない。

「これまでは、お客様から請求があったときにお支払いをする“ペイヤー”の役割を忠実に果たしてきました。今後はお客様に寄り添う“パートナー”として、接点を増やし、医療や健康増進など、多様なニーズに応えていきます」

また、日本市場の特異性はグローバルに活用できる。単身世帯の増加や少子高齢化は、多くの国で見られる現象。低金利で資産運用が難しいことも世界共通の悩みだ。

「日本は世界共通の課題のパイオニアで、いち早く少子高齢化や低金利に直面。それを乗り越えるために高齢者向けの商品やサービスを開発し、バブル崩壊以降の低金利の環境でも運用成果を上げたきた。日本で結果を出すことが、世界共通の課題の解決につながります」

日本から世界へ。生保市場に「日本モデル」が登場する日は、そう遠くないのかもしれない。


ニック・レーン◎1973年、アメリカ生まれ。プリンストン大学卒。ハーバード大学ビジネススクール修了。アメリカ海兵隊、マッキンゼー・アンド・カンパニーを経て、AXAエクイタブルへ入社。シニア・エグゼクティブ・バイス・プレジデント等を歴任し、2016年より現職。

文=村上 敬 写真=佐藤裕信

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